史上最高級の万能戦士とリーグ最高級のビッグマンをそろえたレイカーズ
6月16日(現地時間15日)、今年1月末からトレードを志願していたニューオーリンズ・ペリカンズのADことアンソニー・デイビスの新たな所属先が決定した。
リーグの情報筋が『ESPN』へ伝えたところによると、ペリカンズとロサンゼルス・レイカーズの2チーム間でトレードが合意に達したという。ペリカンズはデイビスを、レイカーズはブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、ジョシュ・ハートと将来のドラフト1巡目指名権3本(と別途で将来のドラフト指名権交換あり)を放出。これにより、レイカーズはリーグ最高級のビッグマンを獲得することに成功。
ペリカンズが手にした将来のドラフト1巡目指名権3本には、今年の1巡目4位指名権も含まれているため、このチームは今年のドラフトで、1巡目1位と4位指名権を手に入れることとなった。
なお、リーグの規定により、このトレードが正式に成立するのは7月7日(同6日)になるという。
レイカーズはヤングコア3選手と将来のドラフト指名権を失ったものの、26歳と若く、208センチ114キロの体躯に抜群の身体能力、さらには攻防両面においてリーグ屈指の実力を誇るデイビスを獲得したことにより、レブロン・ジェームズとの超強力タッグ結成に。
レブロンとデイビスは、現在リーグでも10本の指に入るほどの実力者。レブロンは言わずと知れた歴代最高級のオールラウンダーであり、優勝経験3度をはじめ、これまでに成し遂げた実績は枚挙にいとまがない。自他ともに認める絶大な影響力を誇り、リーダーとしても申し分ない。
デイビスはキャリア7シーズンを終えたビッグマン。今季はケガなどで56試合の出場に終わったものの、ここ3シーズンはいずれも平均25得点11リバウンド2ブロック以上をマーク。今季はキャリアハイとなる平均12.0リバウンド3.9アシスト1.6スティールを挙げている。リング下だけでなく、ミドルレンジやドライブ、3ポイントエリアからも難なくショットを沈めることができ、ビッグマンとしてはフリースロー成功率もキャリア平均79.5パーセントと高確率。ディフェンス面においてもリーグ屈指の能力を持っており、リムプロテクターとしても評価が高い。
来季終了後、デイビスはプレーヤーオプション(PO)を破棄して制限なしフリーエージェント(FA)になることができるのだが、代理人はレブロンと同じくリッチ・ポール。他チームへ移籍するよりも、レイカーズが最も再契約する可能性があると言えるだろう。
複数の若手を加えたペリカンズ、ドラフトでウィリアムソン指名で一気に飛躍?
デイビス獲得のために複数の若手選手を放出したものの、ボールがない状態でも持ち味を発揮できるカイル・クーズマを残すことができたことは大きい。といっても、レイカーズはラジョン・ロンドやランス・スティーブンソン、ジャベール・マギー、レジー・ブロックなどロースターの大部分が制限なしFAになるため、今夏にレブロンとデイビスの周囲に戦える陣容をそろえていくことが求められる。
それでも、リーグ最高級の魅力的なデュオを結成したことで、レブロンとデイビスがいるレイカーズでプレーしてみたいと思う選手が増えるのではないだろうか。
7シーズンに渡ってフランチャイズプレーヤーを務めたデイビスをついに放出したペリカンズだが、現状を考えると決して悲観するものでもない。今後の成長を見込めるボールとイングラムは共にまだ21歳、チームにはバックコートにドリュー・ホリデー、フロントコートにはジャリル・オカフォーがおり、イートワン・モアとソロモン・ヒルという堅実な選手が在籍している。
さらに、21日(同20日)のドラフトではいの一番でザイオン・ウィリアムソン(デューク大学1年)を指名することが濃厚のため、魅力的なロースターを構築できる可能性を秘めている。
ただし、今季先発ポイントガードを務めたエルフリッド・ペイトンが制限なしFA、ジュリアス・ランドルはPOを破棄すれば制限なしFAになることができる権利を持っており、こちらも今夏にロースターを再構築していくことが必須。
実質6対1という形で合意に達したデイビスのトレード。レイカーズとペリカンズの双方にメリットがあるものとなったが、現時点で勝者を決めるのはさすがに時期尚早。レイカーズが来季に向けてどのようにロースターを作り上げていくか、ペリカンズに関しては、今後もトレードを断行する可能性を秘めているだけに、まずは今後の動向に注目していきたい。