日本のバスケットボールファンとして、いよいよその時を迎えた。
6月21日(現地時間20日)に行われたNBAドラフト2019。ワシントン・ウィザーズがゴンザガ大学の八村塁を1巡目9位で指名した。この歴史的な瞬間を生きる我々日本人は近い将来、彼がNBAで活躍する姿を刮目できるかもしれない。
そこで今回は、八村を指名したウィザーズがどのようなチームなのか紹介していく。
1961年に創設されたウィザーズの主な歴史
ウィザーズは、アメリカの首都であるワシントンD.C.に本拠地を構えるチーム。創設当時の1961-62シーズンはシカゴ・パッカーズの名で活動していたが、その後はフランチャイズ(本拠地)とチーム名を変更し続け、97-98シーズンから現在の名称となった。
長い歴史があり、特に2001年から2003年にはバスケットボールの神様、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が在籍。2度目の現役復帰だったため全盛期は過ぎていたものの、ブルズ時代に2度の3連覇を含む6度のNBAチャンピオンに輝いていた彼の驚異的なパフォーマンスに、多くのNBAファンが熱狂した。
チームを代表するエースプレーヤー
現在のウィザーズには魅力的なスターが存在する。それは2010年ドラフトの全体1位指名で入団を果たした、ジョン・ウォールだ。
193センチ95キロの司令塔は、これまでNBAオールスターに5度選出されており、持ち前のスピードを活かした切れ味のあるドライブで存在感を放つスター選手。近年は、プロ入り当初に懸念されていたアウトサイドシュートの改善に取り組み、得点のバリエーションを増やすことでオフェンスの引き出しを増やした。
また、持ち前の身体能力を利用した豪快なブロック、トップギアからのスラムダンクなど、華のあるプレーでファンを魅了してきた。しかし、昨年12月末に1年以上も苦しんできた左かかとにある踵骨棘(しょうこっきょく)の修復手術を受けて早々にシーズン終了。さらには左アキレス腱を部分断裂してしまい、現在は長期離脱している。復帰には時間がかかると見られているが、万全な状態で復帰を果たし、八村と素晴らしい共演を見せてくれると期待したい。
スター不在の可能性がある来季の展望
今後のビジョンとしては、プレーオフ復帰に向けて、着実に体制を整えることだろう。今季はエースのウォールが大ケガを負ったこともあり、ポストシーズンを迎えることができなかった。
もう1人のスタープレーヤー、ブラッドリー・ビールがキャリアハイの活躍ぶりを見せたものの、再建を図るためかトレードのうわさが絶えない状況。トレードバリューがチーム内で最も高いビールを放出することで、ロールプレーヤーや将来のドラフト指名権など、多くの見返りを手にしようとしているのかもしれない。
八村はビールとウォールの現状から、比較的スポットライトが当たりやすい環境にいるとも言える。ウォールがコートへ戻ってくるまでに、どれだけの結果を残し、チームやファンから認められる存在になれるか。来たるルーキーシーズンに注目したい。