リーグトップレベルの実力者デュラントとカイリーを強奪するファインプレー
7月1日(現地時間6月30日)、NBAは今夏フリーエージェント(FA)になる選手たちとの交渉解禁となるFA戦線がスタートした。
日本時間1日7時を前に、多くのFA選手の去就が報じられている中、最も強烈なインパクトを残したのはブルックリン・ネッツ。
大物FA選手を2人獲得可能なキャップスペースを作って臨んだFA戦線において、ネッツは今夏の超大物FA2人とベテラン2選手との契約合意に至ったと『ESPN』をはじめとする現地メディアが一斉に報じた。なお、これらの契約は7日(同6日)以降に公式発表されることとなる。
※チーム名は略称、G=ガード、F=フォワード、C=センター
■今夏ネッツと契約合意に至ったと報じられた4選手
ケビン・デュラント(F/ウォリアーズ→) 4年1億6,400万ドル(約177億1,200万円)
カイリー・アービング(G/セルティックス→) 4年1億4,100万ドル(約152億2,800万円)
ディアンドレ・ジョーダン(C/ニックス→) 4年4,000万ドル(約43億2,000万円)
ギャレット・テンプル(G-F/クリッパーズ→) 2年1,000万ドル(約10億8,000万円)
独力でディフェンスを突破可能なKDとカイリーを手にした来季の優勝候補
まずはKDことケビン・デュラント。ここ3シーズンをゴールデンステイト・ウォリアーズでプレーし、2度の優勝とファイナルMVP、3度のNBAファイナル進出を果たしたリーグ史上屈指の得点力を誇るスーパースターである。
トロント・ラプターズとのNBAファイナル第5戦でアキレス腱を断裂したため、デュラントは2019-20シーズン全休の予定。今年9月末に31歳を迎えるものの、12年のNBAキャリアで歴代6位の平均27.02得点を記録するスナイパーが19-20シーズンに戦列復帰すれば、ネッツはおのずと優勝候補へ浮上するに違いない。
そしてカイリー・アービング。リーグ屈指のスコアリングガードであり、最高級のクラッチプレーヤーとしても知られる27歳は、8年のキャリアで6度のオールスター選出(14年はMVP獲得)をはじめ、2度のオールNBAチームに選ばれた実績を持ち、16年にはクリーブランド・キャバリアーズで優勝を勝ち取っている。
変幻自在のボールハンドリングと芸術的なレイアップ、高精度を誇るジャンパーを武器にキャリア平均22.2得点5.7アシストを記録。デュラント不在が濃厚な19-20シーズンは、ネッツのエースとして活躍が期待されている。
ジョーダンとテンプルも獲得し、ロースターに経験を加えたネッツ
キャリア11年目を終えたディアンドレ・ジョーダンは、ここ6シーズン連続で得点とリバウンドの平均ダブルダブルを記録する30歳のベテランビッグマン。211センチ120キロという屈強な肉体を存分に活かし、リバウンドやブロックショット、ディフェンスで貢献することができ、オフェンスではピック&ロールのスクリナーとして、リム付近で豪快なフィニッシュを決め切ることが可能。
17年にはオールスターに選出されており、3度のオールNBAチーム、2度のオールディフェンシブチームに選ばれた実績があり、18-19シーズンは自己ベストとなるフリースロー成功率70.5パーセントをマーク。
なお、デュラント、カイリー、ジョーダンは2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでアメリカ代表として共にプレーし、金メダルを獲得した。
テンプルはキャリア9年目を終えた33歳のスイングマン。相手チームのスコアラーをガードすること、3ポイントシュートを効果的に沈めることがネッツで求められることになるだろう。
ネッツは4選手と契約したため、制限付きFAのディアンジェロ・ラッセル、制限なしFAのロンデイ・ホリス・ジェファーソンが移籍濃厚。それでも、バックコートにキャリス・ルバートやジョー・ハリス、スペンサー・ディンウィディー、フロントコートにはジャレット・アレン、ロディアンス・クルークスが契約下におり、デュラント不在でもプレーオフ1回戦を突破することが可能なロースターになったのではないだろうか。