カリーが退団した2人のベテランについて言及「他チームの彼らを見るのはつらいね」

イグダーラとリビングストンを失った現状についてカリーが語った[写真]=Getty Images

カリー、トンプソン、グリーンという基盤こそ保持するも、功労者2人を放出

 昨季、ゴールデンステイト・ウォリアーズはNBA史上4チーム目の3連覇を目指して戦うも、NBAファイナルでトロント・ラプターズの前に6戦(2勝4敗)で敗れてシーズンを終えた。

 それでも、約半世紀ぶりとなる5年連続のファイナル進出はNBA史上2チーム目の快挙で、その期間に2連覇を含む3度の優勝を飾ったことは、今後もずっと歴史に残り続けるだろう。

 だが、今夏のフリーエージェント(FA)戦線を迎えると、ケビン・デュラントがサイン&トレードでブルックリン・ネッツへ、デマーカス・カズンズとクイン・クックがロサンゼルス・レイカーズへと移籍。

 するとウォリアーズはネッツからオールスターガードのディアンジェロ・ラッセルを獲得し、制限なしFAだったクレイ・トンプソンとマックス契約を締結。FA戦線ではビッグマンのウィリー・コーリー・スタインとガードのアレック・バークスをロースターに加えて戦力ダウンを最小限に抑えようとした。

 ところが、ウォリアーズはラッセルをマックス契約で獲得したことによってサラリー超過という事態に。そこでチームが下した決断は、アンドレ・イグダーラとショーン・リビングストンを手放すことだった。

 イグダーラはメンフィス・グリズリーズへトレード、ショーン・リビングストンは解雇という形で退団し、ウォリアーズはステフィン・カリー、トンプソン、ドレイモンド・グリーンという基盤を残し、新体制を迎えようとしている。

イグダーラ(左)とは6シーズンを共にしたカリー(右)[写真]=Getty Images

「共に成し遂げた数々のことは、今後もきっと忘れることはないさ」とカリー

 7月12日(現地時間11日)に地元メディア『The Mercury News』へ掲載された記事の中で、カリーがイグダーラとリビングストンという2人のベテランについて語っていたので紹介したい。

 イグダーラはここ6シーズン、リビングストンは直近5シーズンをウォリアーズでプレー。ベンチからチームを支えるロールプレーヤーとして、時には先発も務めるなど献身的な働きで5年連続のファイナル進出、そして3度のチャンピオンリングを獲得。

 ウォリアーズ在籍時における両者について「究極のプロフェッショナリズムとリーダーシップをもたらしてくれた」とカリーが感謝を口にし、現状の想いをこのように明かした。

「彼らにはまだ多くの力が残っている。だから(対戦することは)楽しいことになるだろうけど、他チームの一員としてあの2人を見るのはつらいね。でも、僕らがこのチームで共に成し遂げた数々のことは、今後もきっと忘れることはないさ」。

 イグダーラは現在、グリズリーズに所属しているものの、開幕前にバイアウト(契約買い取り)となって優勝候補のチームへ移籍、あるいはトレードで所属先を変える可能性が十分ある。リビングストンも制限なしFAのため、新たな所属先のベテランとしてウォリアーズと戦うこととなる。

 この5年間で、ウォリアーズはレギュラーシーズンにおける歴代最多勝(2015-16シーズン/73勝9敗)や史上最長となる開幕24連勝(同シーズン)、プレーオフにおける歴代最高勝率(2017年/16勝1敗で勝率94.1パーセント)をたたき出すなど、いくつものNBA新記録を樹立。2014年以降、最も成功を収めたチームとして君臨してきた。

 カリーが振り返ったとおり、ウォリアーズで共に達成した数々の記録や功績は、NBAのレコードブックだけでなく、選手やコーチ陣、スタッフたちにとっても永遠に記憶の中に残り続けるに違いない。

 新たな道を歩み出したカリーと、新天地で今季を迎えることが濃厚なイグダーラとリビングストン。互いの特徴を知り抜いた実力者たちによる対戦を、ぜひとも注目していただきたい。

リビングストン(左)は5シーズンもの間、バックアップあるいは先発バックコートの相棒としてカリー(右)を支えてきた[写真]=Getty Images

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