若手を残し、ケンバとカンターを加えて異なる方向へと進んだセルティックス
7月18日(現地時間17日)、ボストン・セルティックスは、今夏チームに新加入したケンバ・ウォーカーとエネス・カンターの入団会見を行った。
一昨季まで2年連続でイースタン・カンファレンス・ファイナルへ進出し、一昨季はNBAファイナルまであと1勝に迫る快進撃を見せたセルティックスだったが、昨季はカンファレンス・セミファイナルでミルウォーキー・バックス相手に1勝4敗で敗れてシーズンエンド。
昨季終了後、プレーヤーオプションを破棄してカイリー・アービングとアル・ホーフォードが制限なしフリーエージェント(FA)になると、カイリーはブルックリン・ネッツ、ホーフォードはフィラデルフィア・セブンティシクサーズへと移籍。ドラフト当日のトレードでは、アーロン・ベインズをほぼ無償で放出していた。
するとセルティックスは、FA戦線でトップレベルのポイントガード(ケンバ)と安定した活躍が見込めるビッグマン(カンター)を獲得してロースターにメスを入れた。
セルティックスのバスケットボール運営部門代表を務めるダニー・エインジ(元セルティックスほか)は、カイリーが今夏移籍するかもしれないというウワサを耳にし、「3月か4月だったかな。私はすごくいいアイデアが思い浮かんだんだ」と振り返る。
そして「(その時点では)まだどうなるか分からなかったけどね」と明かしたものの、「私はこの時点で、これまでとは異なる方向へ進むこと、異なるオプションについて考えていたんだ」と口にしていた。
「毎晩高いレベルで競い合うことができるチーム」への移籍を望んでいたケンバ
キャリア8シーズンのうち、プレーオフ出場はわずか2度、ここ3シーズン連続でプレーオフから遠のいていたケンバは、5月末に初来日した際、今季について「とにかくプレーオフに出場すること」と語っていたように、勝利に飢えていた。セルティックス加入について、ケンバはこう語っていた。
「私はキャリアを通じて、一貫して勝利することができていませんでした。ここでも同じことが起こるだろうとは言いません。未来を見ることはさすがにできません。ですが、私は勝ちたいんです。私は毎晩高いレベルで競い合う(セルティックスの)ようなチームの一員になりたかったんです」。
昨季まで所属していたシャーロット・ホーネッツで、エースとしてプレーしていたケンバは、セルティックスについて「彼らがやってきたことを見てきました。毎年、彼らはすごく高いレベルで競い合っていましたし、プレーオフにも毎年出場していました。そういったことが私の決断に大きく影響しました」と語っていた。
今季のセルティックスは、ケンバの周囲にジェイレン・ブラウンやジェイソン・テイタムという魅力的な若手と、元オールスターのゴードン・ヘイワードや昨季オールディフェンシブファーストチーム入りを果たしたマーカス・スマートといった実力者がおり、インサイドにはカンターらが入ることになる。
「我々が良いチームになるかどうか、私には分かりません。未来をお伝えすることはできませんが、とても良いチームだと思います。とても才能にあふれた若手が複数いますので、彼らと一緒にプレーできることが楽しみです」とチームについて語ったケンバは、今季についてこう続けた。
「私はこのチームにおいて、大きな部分を占めることになると思っています。そして若手たちが成長することが重要です。このチームは彼らのステップアップを必要としており、チームにとって非常に重要だと捉えています。ゴードンについても、私たちは彼がすばらしいシーズンを送ってくれることを願っています。私はこのチームでプレーできることにワクワクしています」。
ケンバはセルティックスでプレーすることについて、「私が持つ数多くのスキルは、チームメートたちを補完することになると思います。レーンに入り込むことが大好きですし、そこでたくさんのマークを引き付けることになるでしょう。また、私はほかの方法でもチームメートたちを向上させることができると思っています。それは良きチームメートとして彼らのベストを引き出すこと、できる限りチームをプッシュしていくことです。きっと楽しいことになると思いますし、この機会をとても楽しみにしています」と笑顔を見せた。
16日(同15日)に現地メディア『ESPN』が発表したパワーランキングで、セルティックスはバックス、シクサーズに次いでイースト3位、全体でも7位という好位置に入った。
負けず嫌いのケンバとしては、今季のプレーオフ出場は当然として、最低ラインとして昨季のチームが敗れたカンファレンス・セミファイナル突破を見据えているに違いない。