BWBアジアで来日中は東京ドームでプロ野球観戦を満喫
8月17日まで4日間にわたって都内某所で行われた「第11回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・キャンプ・アジア2019」(以降BWBアジア)に、11年のNBAキャリアを持つロビン・ロペス(ミルウォーキー・バックス)がコーチとして参加した。
男女計64選手によるBWBアジアキャンプを終えて、ロペスは「スキルの高さを見ることができて非常に良かったのと、オフボールの動きを皆がしっかりやっているところを見ることができたのがとても楽しかったです」とコメント。
今回の参加選手は16、17歳で、中には208センチという高さを持つ選手も複数いたのだが、213センチ124キロのロペスはひと際目立っていたと言っていいだろう。
17日の表彰式終了後、日本好きとしても知られるロペスに、今気になっているスポットがあるか聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「前回、(埼玉)西武ライオンズの試合を見たんですけど、昨日(8月16日)は初めて東京ドームで(読売)ジャイアンツ対(阪神)タイガースの試合を見ました。それがもう、本当にすばらしい経験になりました。最高でした」。
16日に行われたジャイアンツ対タイガースの試合は、4万5,000人以上が詰めかけた。1回表にタイガースが1点を先制するも、4回裏にジャイアンツが2点を返し、そのままリードを守って2-1で勝利。大観衆と共に、ロペスは大いに楽しんでいたようだ。
「お互いのためにしっかりプレーできるというスタイル」を移籍の理由に挙げる
直近3シーズンをシカゴ・ブルズでプレーしたロペスは、ここ2シーズン連続でプレーオフに出場できずにいたのだが、フリーエージェント(FA)となった今夏、バックスへと移籍。
昨季リーグトップの60勝22敗を記録したバックスは、今季優勝候補と評されるチーム。昨季の最優秀ヘッドコーチ賞に輝いたマイク・ブーデンホルザーHC(ヘッドコーチ)、昨季のMVPヤニス・アデトクンボやオールスターのクリス・ミドルトンなど戦力も充実しており、一卵性双生児の兄ブルックも在籍している。
バックス入りを決めた最大の理由について、ロペスは「非常にいい組織で、お互いのためにしっかりプレーできるというスタイルが構築されています。その点が良かったです。昨シーズン、結果を残したチームでしたので、自分ができる限り、何かしら手助けできればなと思いました」と語ってくれた。
昨季のプレーオフ、バックスはトロント・ラプターズとのイースタン・カンファレンス・ファイナルで2連勝と絶好のスタートを切ったものの、翌第3戦から4連敗を喫してシーズンエンド。
今夏、バックスはマルコム・ブログドン(現インディアナ・ペイサーズ)、ニコラ・ミロティッチ(現バルセロナ/スペイン)、トニー・スネル(現デトロイト・ピストンズ)らを失ったもの、ロペスやウェスリー・マシューズ、カイル・コーバー、タナシス・アデトクンボ(ヤニスの兄)、ドラガン・ベンダーを加えてチャンピオンシップ獲得を狙っている。
「僕はユーティリティプレーヤーだと思ってる」と語った献身的なビッグマン
バックスへ移籍する過程で、兄ブルックの影響もあったのかと聞いてみると「どちらかというと、プレーしたくない理由になる(笑)」と切り返したロペスだが、今季は兄ブルックのバックアップとしてローテーション入りすることが確実視されている。
そこでキャリア12シーズン目の今季、優勝候補バックスでどんなことにフォーカスしていくかをロペスに聞いてみた。すると「優勝候補であろうとどんなチームであろうと、僕は自分のことをユーティリティプレーヤー(複数のポジション、役割をこなす選手)だと思っています。どういう形でチームを助けられるのかということをしっかり確認しつつ、全体像を見ながら1試合1試合考えてやっていくようにします」とロペス。
攻防両面において、献身的なプレーが光るロペス。今季は自慢の屈強なサイズを駆使し、バックスに数多くの勝利をもたらすはずだ。
取材・文=秋山裕之