「本契約を勝ち取ります」
NBA2年目に向けて、渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)が9月11日、決戦の地となるアメリカへと旅立った。
前日の9月10日(火)にFIBA ワールドカップが行われていた中国から帰国。その後、篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)とともにキャプテンとして記者会見に臨んだが、この時は「僕だけでなく、選手全員が悔しい思いをしたはずです」と、5戦全敗となった大会に悔しさをあらわにしていた。だが、会見から約15時間後、同じ羽田空港に現れた渡邊は、しっかりと前を向いていた。
「昨日は正直、(空港に)ファンは一人もいないと思っていたので、『たくさんのファンが待ってくれています』と聞いて、ああいう成績になっても応援してくれている人がいるんだと思ったら、応援してくれる人の分までもっと活躍したかったし、もっと勝ちたかったなと、また悔しい思いが出てきました。でも一晩寝てこれから自分のマインドをNBAにシフトしないといけない中、いつまでも引きずっててもしょうがない。(今は)新しい挑戦がアメリカで始まることに楽しみでしょうがないです」
グリズリーズと2ウェイ契約をし、日本人2人目のNBAプレーヤーとして臨んだ昨シーズンは15試合に出場。平均11.6分の出場で、2.6得点、0.5アシスト、2.1リバウンド、0.3スティール、0.1ブロックという数字を残した。今シーズンの目標は、本契約を勝ち取ること。そのためにも「自分が成長してコーチたちに認められる以外方法はないので、とにかくNBAのコートで証明すること。1秒1秒全力で、自分のできるすべてを出し切りたいです」と決意を新たにした。
ワールドカップでは9日間で5試合を戦い、平均32.4分出場。帰国後、落ち着く間もなくの渡米となったが、「正直言うとめちゃめちゃ疲れています。体も心も疲れていますが、このタイミングで渡米することにしたのは、日本で2、3日休んでアメリカに行っても時差があってまたしんどくなる。それなら時差を直しつつ体を休ませれば、4、5日で時差もなくなり、体もリフレッシュした状態で練習に参加できると思ったからです」とハッキリとした口調で語った。
「勝負の年」と位置付けるNBA2シーズン目に向け、渡邊の戦いの場は、ワールドカップ開催地の中国からアメリカへと移る。