「彼はこの夏にジャンプショットの練習をハードにこなしてきたと私は思う」
9月21日(現地時間20日)、1980年代に206センチの超大型ポイントガード(PG)としてロサンゼルス・レイカーズを5度の優勝へと導いたアービン“マジック”ジョンソン(元レイカーズ)が『ESPN』の番組“First Take”へ出演した。
番組内で、マジックは今季のイースタン・カンファレンスの優勝候補をフィラデルフィア・セブンティシクサーズと予想。「私がこのチームについて疑問なのは、ジミー・バトラー(現マイアミ・ヒート)が移籍したことで、誰が第4クォーターでチームを引っ張っていくのか。そしてブレット・ブラウンHC(ヘッドコーチ)がコーチとしてひと皮むけることができるのかどうか、ということ」と語った。
シクサーズは今夏、ジョエル・エンビードとベン・シモンズというオールスターデュオの周囲に、再契約したトバイアス・ハリス、バトラーを絡めた4チーム間のトレードでヒートからジョシュ・リチャードソン、フリーエージェント(FA)でアル・ホーフォードを獲得したことで、豪華な先発陣を形成することに成功。その一方で、シューターのJJ・レディックがニューオーリンズ・ペリカンズへ移籍したこと、そしてベンチ陣の選手層が薄くなっている点が気がかり。
また、ハリスとホーフォードがフォワードに入ることで、アウトサイドシュートを苦手としているPGのシモンズがトランジション以外でプレーできるエリアがなくなるのでは、という懸念もある。
だが今夏、シモンズがワークアウトやピックアップゲームの中でアウトサイドシュートを決めている動画が拡散されており、今季に向けて改善に努めている様子が伺えた。
マジックもシモンズを評価しており、番組内で「彼はジャンプショットを身に付けようとしていたし、今後も磨いていくだろう。彼はこの夏にジャンプショットの練習をハードにこなしてきたと私は思う。彼がコートへ戻ったら、皆を驚かすだろうね」と期待を寄せていた。
シモンズはペイントエリアでほとんどの得点を挙げており、ポストプレーでもダンクやレイアップ、フックショットを放つか、チームメートへキックアウトするパターンだったのだが、もし今季、ここにジャンパーが加わるのであれば、相手チームにとってはやっかいなことになるだろう。
もっとも、昨季までの2シーズンにおいて、シモンズはレギュラーシーズンとプレーオフの合計で3ポイントを18本放ってきたのだが、いずれもリングをくぐり抜けることはなく、成功数はゼロのまま。ワークアウトでいくら高確率に沈めていたとしても、実際のゲームで決めなければ公式記録には残らない。
それでも、マジックが説得力のある口調で話していたこともあり、「今季こそ期待できる」という雰囲気を醸し出していた。キャリア3年目のシモンズがジャンパーを身に付けてプレーするとなれば、シクサーズはより倒すことが難しいチームになるのではないだろうか。