2019.07.14
5月13日(現地時間12日)に行われたトロント・ラプターズとのイースタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦。フィラデルフィア・セブンティシクサーズは試合時間残り4.2秒で同点に追いついたものの、カワイ・レナードのブザービーターを浴びてしまい、2018-19シーズンを終えた。
オールスターセンターのジョエル・エンビード、昨季の新人王ベン・シモンズという魅力的なヤングコアを軸とするシクサーズは、今季序盤に万能戦士ジミー・バトラー、今年2月のトレードデッドライン直前にトバイアス・ハリスというスコアリングフォワードを獲得し、ベテランシューターのJJ・レディックと共にイースト最高級のスターターを形成。
レギュラーシーズンをイースト3位の51勝31敗で終え、プレーオフへと進んだシクサーズは、ブルックリン・ネッツとの初戦に敗れるも、第2戦から4連勝と一気に駆け抜けて、イースト準決勝へと駒を進めた。
レナードに45得点を奪われた初戦こそ黒星を喫したものの、第2戦ではバトラーが30得点、エンビードがクラッチプレーを決め切って1勝1敗のタイに戻すと、第3戦ではエンビードが33得点、バトラーが22得点9リバウンド9アシストとトリプルダブル級のパフォーマンスで圧勝し、シリーズ戦績を2勝1敗とリード。
ところが、エンビードが体調不良に苦しんだこともあり、第4、5戦に連敗し、ラプターズに王手をかけられてしまう。それでも、第6戦はバトラーが25得点、シモンズが21得点と活躍し、なんとか第7戦へと持ち込み、最終戦もあと一歩のところまでラプターズを追いつめたものの、イースト決勝にはあと一歩届かず。
優勝を勝ち取るべく構成されたロースターでプレーオフへ挑むも、昨季と同じくイースト準決勝で敗退したため、今季のシクサーズを勝者と呼ぶことはできない、というのが大方の意見だろう。
とはいえ、シモンズは「僕らはベストを尽くして競い合ってきた。このグループとして一緒に戦ってきた時間が短かったんだ。このチームにはとてつもないポテンシャルがある」と地元メディア『Philly.com』へコメント。
ラプターズとのシリーズでチームトップの平均22.0得点5.6アシストに7.0リバウンド1.0スティールを残したバトラーは、エンビードとシモンズについて「彼らはすばらしい選手になることができるポテンシャルを秘めている。あの2人はフランチャイズの基盤として誰もが欲しがるタイプの選手。今後、このリーグで何かスペシャルなことをやってくれるだろう」と評している。
シリーズ終了から一夜明けた14日(同13日)、去就が注目されていたブレット・ブラウンHCの続投が決まったと現地メディアが報じていることから、シクサーズは来季もエンビードとシモンズを中心とした布陣で優勝を目指すこととなる。
プレーオフ期間中、膝の痛みに加えて体調不良に悩まされたエンビードにはコンディションを整えることが求められるだろう。そしてシモンズには、やはりアウトサイドショットの向上が必要となってくるに違いない。
シリーズ終了後、シモンズはメディアの前で自身が2年目のシーズンに進歩したことについてこうコメントしている。
「このシーズンで僕が最も成長できたのは、間違いなくリーダーシップの部分だと思う。自分の意見を明確に発信し、チームメートたちを鼓舞することができるようにトライしたんだ」。
208センチの超大型ポイントガードは、司令塔としてチームを鼓舞し、迫力満点のダンクに加えてポストプレーからチームメートの得点機会を演出。リング下ではレイアップやフックショットを武器に、レギュラーシーズンでは平均16.9得点8.8リバウンド7.7アシスト1.4スティール、プレーオフでは平均13.9得点7.1リバウンド6.0アシスト1.3スティール1.0ブロックをマークし、オールスターにも選ばれた。
しかしながら、レギュラーシーズンとプレーオフを通じてリング下では70.1パーセントという驚異的な成功率を残したものの、リングから距離が離れるにつれて成功率は急激にダウン。キャリア2年間で計18本の3ポイントを放つも、成功はいまだゼロとなっている。
パサー、そしてヴォーカルリーダーとして成長しており、ディフェンス面でも貢献しているシモンズだが、やはり今後キャリアでより上を目指すのであれば、アウトサイドショットを身に付けていくことが課題となる。
来季に向けて、シモンズがジャンパーに磨きをかけることができれば、持ち前のドライブもよりいっそう効果的になるはずだ。
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