W杯でも対戦した八村について「今後すばらしい選手になっていくだろう」
10月27日(現地時間26日)。今年のドラフト1巡目全体9位で指名された八村塁(ワシントン・ウィザーズ)が、NBA3試合目としてサンアントニオ・スパーズとの試合に挑んだ。
スパーズは昨季まで22年連続(NBA史上最長記録タイ)でプレーオフに出場している強豪チーム。今季で24シーズン目(NBA歴代最長記録)となったグレッグ・ポポヴィッチHC(ヘッドコーチ)は将来のバスケットボール殿堂入りが確実な名将である。
9月中旬まで中国で行われた「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)では、ポポヴィッチHCがアメリカ代表の指揮官、八村は日本代表のエースとしてそれぞれ臨み、グループEの3試合目で激突したことは記憶に新しい。
アメリカ代表は、日本の得点源である八村に対する刺客として、ハリソン・バーンズ(サクラメント・キングス)を送り込んできた。身体能力に秀でたバーンズはフットワークと身体の強さを駆使して、八村をフィールドゴール8投中成功わずか2本の計4得点に封じた。
日本代表とウィザーズでは、八村がこなす役割は異なる部分もあるのだが、NBAのコートでどんなパフォーマンスを見せるのかは気になるところだった。
もっとも、八村は実力で先発パワーフォワードの座を勝ち取り、開幕2試合を終えて2戦連続の2ケタ得点。ゲームの流れの中でショットを決め、リバウンドやディフェンスでも及第点を与えられるプレーを披露。
スパーズ戦でも、最初のポゼッションでマッチアップしていたトレイ・ライルズを抜き去り、あいさつ代わりにNBA入り後では初となるダンクをたたき込んだ。
その後も八村はジャンパーやリング下、レイアップで加点。第2クォーター終盤には豪快なボースハンドダンク、第3クォーターではプットバックダンクと、計3本のダンクでスパーズのリング下を強襲。
試合には惜敗してしまったものの、八村はチーム2位となる37分58秒に出場し、16得点8リバウンド3アシスト1スティール1ブロックという成績を残した。
ポポヴィッチHCはそんな八村について、「彼はスキルが備わった選手。それにアンセルフィッシュな選手でもあるね。彼は今でもすでに(ガードすることが)とても難しい選手だけど、今後さらにすばらしい選手になっていくだろうね。すばらしい競争者だ」と語っていたとウィザーズの公式ツイッターが報じている。
八村のルーキーシーズンはまだ始まったばかりだが、コート上でも落ち着きを見せており、ウィザーズのスコット・ブルックスHCが「まるでベテランのようだ」と評したように、新人離れした姿勢でウィザーズの主力を務め上げている。
今後は相手チームのスカウトによって得意なプレーが封じられてしまう可能性こそあるものの、飲み込みが早く堅実な八村ならば、苦境であろうと乗り越えていくことができるはずだ。