第4Qにモラントがグリズリーズをけん引、延長に持ち込むレイアップを決める
10月28日(現地時間27日)。開幕2連敗のメンフィス・グリズリーズは、ホームのフェデックス・フォーラムでブルックリン・ネッツと一戦を交えた。
この試合の注目は、リーグ屈指のスコアリングガードであり、最高級のクローザーでもあるカイリー・アービング(ネッツ)と、今年のドラフト全体2位指名でグリズリーズ入りしたジャ・モラントというポイントガードによるマッチアップ。
第1クォーター。カイリーが1人で14得点を記録する活躍を見せるも、グリズリーズはモラントをはじめ、ジャレン・ジャクソンJr.やヨナス・バランチュナスらが加点し、35-29の6点リードで最初の12分間を終える。
だが第2、3クォーターはアウェーのネッツ優勢で進んでいく。カイリー、キャリス・ルバートらの活躍で逆転し、徐々にグリズリーズとのリードを広げていき、97-92の5点リードで第4クォーターへ。
するとそこからモラントが躍動。最初の1分間で2本のレイアップを放り込んで1点差まで持ち込むと、ネッツが負けじとディアンドレ・ジョーダンやジョー・ハリスが加点し、残り9分33秒で6点差へと引き戻す。
第4クォーター中盤に入ると、ルバート、カイリーの連続得点が決まり、残り3分20秒で8点差(118-110)とし、ゲームを締めにかかるも、モラントが6連続得点で1ポゼッション差とすると、残り7.0秒にフローター気味のレイアップを決め切り、延長へ突入。
ネッツが得点してはグリズリーズが同点に持ち込む激戦となった延長戦。2点差以内の攻防から一歩抜け出したのはグリズリーズ。残り1分9秒にジェイ・クラウダーの3ポイントが決まり、3点をリード。
しかし粘るネッツはそこからジャレット・アレンのフリースロー2本、ハリスのショットに加え、スペンサー・ディンウィディーのフリースロー1本で残り7.0秒に2点差をつける。
その後、フリースロー2本目をディンウィディーがミスし、ソロモン・ヒルがリバウンドを奪うと、ハリスのファウルで残り約4秒でグリズリーズのスローインに。
逆転をかけたグリズリーズ最後のチャンス。モラントがドライブでプッシュするのを2人がかりでネッツが抑えにいくも、残り1秒を切った時点でボールはクラウダーへ。終了のブザーとほぼ同時にクラウダーが迷わず放った3ポイントは、鮮やかにリングを通過。グリズリーズが劇的な形で今季初勝利(134-133)を飾った。
「フェイドアウェイ気味に放とうとしたけど、ブロックされてしまった」
同点10回、リードチェンジ12回に及んだ激闘を制したグリズリーズは、第4クォーターだけで17得点を奪ったモラントが30得点9アシスト、ディロン・ブルックスが21得点、バランチュナスが16得点11リバウンド4アシスト2ブロックを挙げたほか、4選手が2ケタ得点をマーク。
最後の場面について、モラントは「どんな形だろうと、僕はジェイのことを信じてる。(今夜は)彼が僕らに勝利をもたらしてくれたね」と称賛。モラントはチームトップの得点を挙げただけでなく、第4クォーター終了間際に逆転をかけたカイリーのショットをブロックするなど、勝利に大きく貢献していた。
延長で決勝弾を含む6得点を奪ったクラウダーは、ローテーション入りしている選手の中で、バランチュナスと並んで最も長いNBAキャリア(7年)を誇るベテラン。
ここまでの2試合についても「僕らはいいプレーをしていたんだ。そして今日は5つのクォーター(延長のみ5分)を一緒に戦い、勝利を勝ち取ったんだ」と殊勲のコメントを残した。
一方、直近のニューヨーク・ニックス戦をカイリーのクラッチショットで制していたネッツは1勝2敗となり、再び黒星先行に。「ブザービーターで敗れるのは、いつだってタフな敗戦だ」とケニー・アトキンソンHC(ヘッドコーチ)が明かしたように、悔しい敗北となった。
そのネッツではカイリーがゲームハイの37得点に7リバウンド7アシスト、ルバートが27得点4リバウンド5アシストを記録するなど、計6選手が2ケタ得点。
カイリーは第4クォーター最後にモラントのブロックを浴びたシーンについて「僕はヘッドフェイクをしていたんだ。そしてフェイドアウェイ気味にショットを放とうとトライした。でも長い腕を持つ男にうまくチェックされてしまい、ブロックされてしまった」と振り返っていた。