常に全力のバトラーにチームメートが高く評価

　マイアミ・ヒートに新加入したジミー・バトラーは、攻守における高い貢献度のみならず、チームカルチャーにも大きな影響をもたらしている存在だ。もともと情熱的で非常にストイックな人物であるが、高い理想を追求するがゆえに、昨季はミネソタ・ティンバーウルブズの若手や球団関係者との間に亀裂が生まれ、トレードで退団する結果となった。

　その後はフィラデルフィア・セブンティシクサーズに所属。プレーオフではトロント・ラプターズに悔しい敗戦を喫し、再契約をせずにサイン＆トレードでヒートへ移籍した。そして現在は新天地ヒートのタフで闘争心溢れる球団文化と共鳴を果たし、素晴らしいプレーとリーダーシップを発揮している。

　バトラーは、トレーニングキャンプでは早朝の3時半に練習会場に訪れ、その姿に触発されたチームメートたちも練習に参加し始めるなど、一体感が現在のヒートの好調ぶりを表していることだろう。『The Miami Herald』によれば、チームメートのゴラン・ドラギッチはバトラーについて、「彼はこのリーグにおけるスーパースター」と絶賛。「けれど勝利を望んでいる。時に彼は得点よりパスを選択することもある。そういった性質は皆が持っているものではない。一目瞭然さ。彼はまず最初に皆を試合に巻き込み、点差を埋めることが必要となれば自ら得点をしていくんだ」と、チームへの影響の大きさを語った。

　またルーキーのタイラー・ヘロも、「コーチはいつも言っているよ、『プレーオフのジミーはこの先必要になってくる』とね。2つの異なるジミーが存在する」と話し、12月5日（現地時間4日）のボストン・セルティックスでバトラーが37得点を決めたことについて、「僕らはプレーオフのジミーを目にしたんだ。直近3試合ではシュートを放ち、ここまで僕らはプレーオフの彼を見てきている。彼は素晴らしいプレーヤーだ。彼から学び続けていきたいよ。信頼できる存在だ」とコメントした。

　チームを渡り歩き、ようやく己の個性を発揮できる環境にたどり着いたバトラー。チームメートたちに信頼されながらチームカルチャーを体現するその姿からは、真のリーダーシップを感じられる。