ウィザーズに今季2連敗を喫したピストンズ「彼らはベストプレーヤーたちをどうすれば活かすことができるか熟知していたんだ」とモリスが悔やむ
ワシントン・ウィザーズは12月17日(現地時間16日)のデトロイト・ピストンズ戦に133-119で勝利して連敗を4でストップ。八村塁(7得点2リバウンド)が前半終了間際に鼠径部を打撲してしまい、今後最低5試合の欠場が発表されたものの、チームとして手ごたえをつかんだ勝利となった。
「今日は今シーズンのベストゲームだった。一人一人、コーチがゲームプラン通りに試合運びができた」とブラッドリー・ビールが満足気に語っており、今後に向けて調子を上げることができるかもしれないターニングポイントになる試合だったと言っていいだろう。
11月5日(同4日)のピストンズ戦にも勝利したウィザーズだが、この試合ではブレイク・グリフィンとデリック・ローズ、12月の試合ではアンドレ・ドラモンドとグリフィンを欠いており、ピストンズは決してベストメンバーではなかった。
それでも、対戦相手のマーキーフ・モリスが「俺たちは試合を通して止めることができなかった。彼らが3ポイントを放った時にストップすることができなかったんだ。第4クォーターに限ったことじゃない。彼らはベストプレーヤーたちをどうすれば活かすことができるか熟知していたんだ」と悔やんだように、ウィザーズは点を取るべき選手が着実にショットを沈めていた。
ウィザーズはビールがいずれもゲームハイとなる35得点10アシスト、6試合ぶりに復帰したアイザイア・トーマスが23得点6アシスト、ダービス・ベルターンスが17得点4リバウンド3アシストをマーク。
チーム全体でフィールドゴール成功率55.7パーセント、3ポイント成功率54.5パーセントに31アシストをたたき出し、高確率なショットと自慢のボールムーブでピストンズを撃破。
八村の欠場中は、“ラトビアン・レーザー”ことベルターンスが先発パワーフォワードに入ることが濃厚だ。キャリア4年目のベルターンスは、ここまで平均29.1分15.4得点4.6リバウンド1.6アシストと、いずれもキャリアハイの成績を残している。
そして208センチの高さからクイックリリースで放つ3ポイントは成功率(45.7パーセント)、成功数(平均3.8本)と、質・量ともに破壊力抜群。八村と比較すると身体能力こそ劣るものの、アウトサイドシュート力の差は歴然。第4クォーターでも必ずと言っていいほどプレーしており、スコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)からの信頼も厚い。
「今のチーム状況はダービスの能力を十二分に発揮できる。(来季も残るかは)勝利できるかどうかが大事」と代理人が明かす
18日(同17日)に地元メディア『NBC Sports Washington』へ掲載された記事によると、ベルターンスの代理人が先週、電話インタビューに応じ、こう語っていたという。
「(エグゼクティブの)トミー・シェパードはすばらしい環境を整えてくれた。すべてにおいて最高の経験ができているよ。チームに合流して2週間が経過した時点で、『このチームは最高だ』とダービスが言ってたよ」
日を追うごとに評価を上げているベルターンスだが、今季終了後に制限なしフリーエージェント(FA)になることから、トレードのウワサも上がっているものの、チーム側は放出しない方針を明らかにしている。ジョン・ウォールとビールへ超高額契約を与えているため、ウィザーズはベルターンスに高額年俸を提示できないというのが大方の予想だが、代理人は低年俸でも再契約する可能性があることを示唆している。
「ダービスはワシントンD.C.で自信に満ちている。今のチーム状況は彼の能力を十二分に発揮できるからね。もし彼が来シーズンも残ったら、健康を取り戻したウォールと共に、ウィザーズは見ていて面白いチームになるんじゃないかな。ダービスはイースト有数のチームになると強く信じている。その点が彼にとって大きな魅力になると思う。勝利できるかどうかが大事なんだ」
ベルターンスはセットオフェンスやトランジション、時折プルアップからの3ポイントを決めているものの、キックアウトから3ポイントを沈める機会はあまりない。にもかかわらず、これだけの数字を残しているのは脅威でしかない。
来季に完全復活することが期待されているウォールには、パワーとスピード、そして現役2位の平均9.2アシストを誇るパスセンスがあり、ドライブからキックアウトでチームメートへコーナースリーやオープンスリーをクリエイトできる。
ウォールの周囲をビールやベルターンスという超一流シューターで囲むことができれば、今季リーグ4位の113.3を記録するオフェンシブ・レーティング(100回のポゼッションにおける得点)はさらに威力を増すのは確実だろう。