2020.11.21
今夏、3チーム間のトレードでサンアントニオ・スパーズからワシントン・ウィザーズへ移籍したダービス・ベルターンスの勢いが止まらない。
2011年のドラフト2巡目全体42位指名のベルターンスは、ラトビア出身のフォワード。キャリア4年目の今季はリーグトップクラスのオフェンス力を誇るウィザーズで、貴重な得点源の1人となっている。
“ラトビアン・レーザー”という異名を持つ男は、208センチ102キロの高さを誇り、クイックリリースから長距離砲を高確率で沈める抜群のシュート力が最大の武器。今季は平均28.9分15.7得点4.7リバウンド1.6アシストと、いずれもキャリアハイの成績を記録。
ベルターンスの真骨頂である3ポイントは、ここまで成功率(46.5パーセント)、成功数(平均4.0本)ともにリーグトップレベルにあり、現在はベンチスタートながら4試合連続で5本以上を成功させている。
12月11日(現地時間10日)のシャーロット・ホーネッツ戦では、いずれもキャリアハイとなる3ポイント8本成功、32得点と猛威を振るっており、ベルターンスが3ポイントを決めた直後にホーネッツが何度もタイムアウトを取っていたことからも、この男が脅威であることが分かるはずだ。
今後もコンスタントにこのペースを維持することができれば、ベルターンスは今季339本の3ポイントを決める計算になる。1シーズンの3ポイント成功数としては、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)に次いでNBA史上4位にランクインするほど、驚異的な数字である。
そのベルターンスは、今季終了後に制限なしフリーエージェント(FA)となるのだが、ウィザーズは市場価値が高騰しているこの男に高額契約を与えることができないという見方が強い。
というのも、ウィザーズはジョン・ウォール、ブラッドリー・ビールと超高額契約を締結しており、今夏にはイアン・マヒンミやCJ・マイルズ、アイザイア・トーマス、ジョーダン・マクレイも制限なしFAとなるため、1人の選手に支払うことができる金額は限られてしまう。
NBAチームのフロントオフィスで働いた経験を持つ人物は「ベルターンスは今夏、おそらく2年契約で平均年俸は1,500万ドルから2,000万ドル(約16億3,500万円から21億8,000万円)になるだろう」と予想していたと『The Athletic』のデイビッド・オルドリッジ記者が報道。
ベルターンスの今季年俸は700万ドル(約7億6,300万円)だけに、最大で3倍以上に跳ね上がることとなる。ドラフト2巡目指名の選手がここまで高額な年俸を受け取ることとなれば、NBAで大きなニュースになるかもしれない。その一方で、こんな意見もあった。
某チームのGM(ゼネラルマネージャー)は「彼が年俸2,000万ドルを受け取ることはない。彼にその年俸を支払うことができるチームは6つしかないからだ」と語っていたと同記者が報じている。
今季のウィザーズにとって、ベルターンスの存在は数字以上に大きいだろう。だが今夏移籍することが確実と判断すれば、アウトサイドからの得点力を求めるプレーオフチーム、あるいは優勝候補が戦力増強すべく、獲得を狙う可能性も十分あるため、トレードへと切り替えるかもしれない。
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