2021.02.18
オールスターガードのジョン・ウォール不在で臨んだ今季、ワシントン・ウィザーズはブラッドリー・ビールがスーパーエースとなり、その周囲をトーマス・ブライアントや八村塁、トロイ・ブラウンJr.といった若手が固め、イースタン・カンファレンス9位の24勝40敗でシーズン中断を迎えた。
プレーオフ進出をかけて戦ったシーディングゲーム(順位決定戦)こそ、ビール不在の影響もあって1勝7敗となり、プレーオフ出場を逃したものの、八村やブライアント、ブラウンJr.にジェローム・ロビンソンら若手が貴重な経験を積んでおり、ウォールの戦列復帰が見込める来季はプレーオフ返り咲きが期待されている。
そのウィザーズにとって、今季ビールに次ぐ活躍を見せたのは新加入のダービス・ベルターンスだった。サンアントニオ・スパーズからトレードで加入したラトビア出身のフォワードは、持ち前のシュート力を存分に発揮。
出場54試合(うち先発は4試合)で平均29.3分15.4得点4.5リバウンド1.7アシストに加え、3ポイント成功率42.4パーセント(平均3.7本成功)を記録。第二幕の出場こそ辞退したものの、リーグ8位(200本)の長距離砲を沈めてみせた。
ウィザーズは今年、シャバズ・ネイピアーやイアン・マヒンミ、ゲイリー・ペイトン2世といった選手たちが制限なしフリーエージェント(FA)になるのだが、最も重要なのはベルターンスとの再契約と言われている。
208センチの高さからクイックリリースで射抜くベルターンスの3ポイントは止めることが難しく、キャッチ&シュートだけでなくプルアップからも決めることができるため、ニューヨーク・ニックスやフェニックス・サンズ、アトランタ・ホークスといった複数のチームが獲得に関心を示しているというのが現状だ。
昨年12月。『The Athletic』のデイビッド・オルドリッジ記者はNBAチームのフロントオフィスで働いた経験を持つ人物が「ベルターンスはおそらく2年契約で平均年俸は1500万ドルから2000万ドル(当時のレートで約16億3500万円から21億8000万円)になるだろう」と話していたと報道。
ウォールとビールの超高額契約を抱えるウィザーズにとって、貴重なシューターで得点源のベルターンスはチームのプレーオフ返り咲きへ不可欠な選手なのだが、年平均2000万ドルの年俸となると、他の選手たちとの契約に回す金額が激減してしまうため、再契約は厳しいという様相だった。
だが10月27日(現地時間26日)に『ESPN』のボビー・マークスが算出した、今年のFA選手が受け取る年俸予想で、ベルターンスは年平均1200~1400万ドル(約12億4800万円から約14億5600万円)となっていた。
このニュースを知ったことで、地元メディア『NBC Sports Washington』はウィザーズにとっては朗報だと報じている。ベルターンスが快適にプレーできるウィザーズでウォールと共闘すること、勝利を重ねることができることを重視すれば、再契約する可能性は十分あるだろう。
ただし、先述したチームがベルターンスを何とかして獲得すべく、2000万ドル級の大金を提示する可能性もあるだけに油断は禁物。11月12日に28歳を迎える“ラトビアンレーザー”がどんな決断を下すのか、今後の動向に注目していきたい。
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