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【インタビュー】琉球U18・宮里俊佑が「BLACK SAMURAI」で掴んだ世界基準「1対1の質と細部へのこだわり」

琉球U18でプレーする宮里[写真]=Bリーグ
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 NBA選手・八村塁が、自身の経験や視点を次世代と共有するために立ち上げたプロジェクト「BLACK SAMURAI」。2025年に行われたそのキャンプで、世界基準の熱量に触れた一人が、琉球ゴールデンキングスU18に所属する宮里俊佑だ。FIBAU17ワールドカップ2026でも日の丸を背負って戦った宮里は、キャンプでの八村やNBAコーチからの教えをいかに自身の力に変え、最高峰の夢へと繋げているのか。BLACK SAMURAI SUMMIT 2026への参加も決まっている期待の司令塔に話を聞いた。

インタビュー・文=峯嵜俊太郎(バスケットボールキング編集部)

BLACK SAMURAI 2025とは?

NBA選手・八村塁が世界の舞台で培ってきた学びや視点、そしてマインドセットを日本バスケ界と共有したいという思いから誕生したプロジェクト。2025年の「THE CAMP」ではIGアリーナを舞台に中高生向けのキャンプが3日間にわたって開催され、最終日には1万人を超える観客が見守る中、キャンプ参加者によるスペシャルマッチ「THE SHOWCASE」が行われた。2026年は「CAMP」「SUMMIT」「Homecoming」の3つのテーマ、神戸・愛知・富山の3つの会場でイベント開催が予定されている。

■「基礎の質」の違いに受けた衝撃…八村から感じた徹底したこだわり

――まずは「BLACK SAMURAI CAMP 2025」への参加が決まった時の率直な心境から教えてください。

宮里 世界レベルのトップ選手と会えること自体がすごく貴重な機会だと思いました。1個でも多くのことを吸収して帰ろうという強い気持ちで臨みました。

――八村選手に対しては、元々どのような印象を持っていましたか?

宮里 NBAで毎シーズン日本人史上最高の活躍をし続けている選手という印象でした。実際にキャンプでは20分ほどのワークアウトを見る機会があったのですが、まずシュートを全然落とさないことに驚きました。それだけでなく、ただ淡々とこなすのではなく、常に目の前にディフェンスがいることを具体的にイメージしながらプレーしている姿勢がすごく印象的でした。

――キャンプ初日、会場の雰囲気やご自身の心境はいかがでしたか?

宮里 やっぱり少し緊張感はありました。ただ、会場には白谷柱誠ジャック選手(福岡大学附属大濠高校)や今野瑛心選手(仙台大学附属明成高校)など知っている選手たちもいたので、安心感もありました。「これからどんな練習ができるんだろう」という楽しみな気持ちの方が大きかったですね。

白谷や今野とは年代別日本代表のチームメートとして共闘している仲[写真]=fiba.basketball

――NBAのトップコーチ、フィル・ハンディ氏の指導も受けました。練習メニューで印象に残ったものはありますか?

宮里 コーンを使ったドリブルやムーブの練習です。フィル・ハンディコーチが自らお手本を見せてくれたのですが、その動きの「キレ」の凄さにはすごく驚かされました。「ドリブルの緩急」と「強弱のつけ方」がすごくて、同じペースでドリブルをつくのではなく、一瞬でスピードに乗る部分と、一気にスピードを落として緩める部分のコントロールが圧倒的でした。単にメニューをこなすのではなく、スピードの強弱や緩急を徹底的に意識することの大切さが、1番の学びになりました。

――キャンプ中、特に印象に残っている言葉やアドバイスはありますか。

宮里 「どんなメニューであっても、自分次第でいくらでも練習の質を高められる」という言葉です。言われた通りにただやるだけなら誰でもできるけれど、ディフェンスを常に頭の中に思い描き、どれだけ工夫して取り組めるかが成長の差になる。そのマインドセットを教えてもらったことが、自分にとって最大の収穫でした。

■世界基準のキャンプで得た「ディテールへの意識」

――キャンプ3日目に行われたスペシャルマッチ(THE SHOWCASE)に向けて、意識していたことはありますか?

宮里 最終日に大観衆の前でゲームがあることは分かっていたので、「絶対にそのメンバーに選ばれたい」という強い思いがありました。2日間の練習の中で、リング周りにいるスタッフ陣や八村選手に対して、短時間でどれだけ自分のプレーをアピールできるかを常に意識してプレーしていました。

――各選手の競争意識も高かったのでしょうか?

宮里 すごく高かったです。1対1のメニューでも、全員が「絶対にアピールして最終日のゲームに出てやる」という気迫を持って臨んでいました。その高い強度の中でバチバチやり合えたことで、2対2や3対3でも密なコミュニケーションが自然と生まれるようになり、トレーニング全体の質が引き上がったと感じています。

BLACK SAMURAI」を経験したことで日々の練習にも好影響が[写真]=Bリーグ

――キャンプを経て、ご自身の日常の取り組みや意識にはどのような変化がありましたか?

宮里 1番変わったのは、チーム練習での「5on0」のようなディフェンスがいないフォーメーション確認の場面です。以前ならただパターンを確認するだけになっていたかもしれませんが、キャンプ以降はコート上にディフェンスがどこに立っているかを常に鮮明にイメージしてプレーするようになりました。

――ディフェンスを想定して動くことで、具体的にどんな成果が出ていますか?

宮里 ドライブに行った際、無理にフィニッシュへ突っ込むのではなく、ディフェンスの姿勢を見て力強いステップでストップできるようになりました。ディフェンスがいない練習でもそれを徹底することで、実際の試合でのターンオーバーが減り、プレーの正確性が増したと感じています。

■「U17ワールドカップ」で痛感したフィジカルの壁と世界の強度

――直近では「FIBA U17バスケットボールワールドカップ2026」にも日本代表として出場されました。世界の強豪と戦う中で、キャンプでの学びが生きた場面はありましたか?

宮里 まさにドライブ後のストップの動きが生きました。海外の選手は体が大きくてフィジカルも強いので、そのまま突っ込んでもブロックされてしまいます。日頃からディフェンスを想定してドライブからストップする練習を重ねていたおかげで、世界大会の舞台でも落ち着いてストップし、味方へのアシストにつなげることができました。

――逆に、世界を経験して新たに突きつけられた課題はありましたか?

宮里 ドライブでペイントエリアに入った時のフィジカルコンタクトです。海外の選手は接触の強さが段違いで、普通にぶつかると押されて体勢を崩されてしまいました。相手からぶつかられて負けるのではなく、自分から身体をぶつけに行ってフィニッシュまで持ち込む力強さが必要だと痛感しました。綺麗にバスケットをやろうとせず、身体を当てに行く泥臭さが不可欠です。

U17ワールドカップではフィジカルコンタクトの面で向上の必要性を感じたという[写真]=fiba.basketball

――スキル面やディフェンス面ではいかがですか?

宮里 オフェンスでは、ピックアンドロールからズレを作って決めるプルアップ3ポイントシュートの精度です。アウトサイドからのプルアップシュートが決まることで相手も守りにくくなり、自分の得意なドライブもより生きてくると感じました。ディフェンス面でも、1対1で身体をぶつける守備を嫌がらずにやらないと、世界のトップレベルでは通用しないと強く感じました。

■琉球U18での頂点、そしてNBAという最高峰の夢へ

――2026年の「BLACK SAMURAI SUMMIT」への参加も決定しています。2度目の参加となる今回はどのようなテーマを持って臨みますか?

宮里 昨年の最終日のゲームでは「もっと目立ちたかった」という悔しい思いが残りました。今回またチャンスをもらえたので、1つひとつのプレー判断の質を高め、自分の強みを最大限に発揮して存在感をアピールしたいです。

――初めて参加する選手に、経験者としてアドバイスを送るとしたら?

宮里 初めて参加する時は緊張して体が硬くなってしまうと思いますが、絶対に遠慮はしないでほしいです。「やり切った」と思えるキャンプにしないと、自分のためになりませんし、参加している意味もなくなってしまいます。後悔を残さないよう、ハングリー精神を持って全力でチャレンジしなければいけないと思います。

――琉球ゴールデンキングスU18で「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP」優勝を目指すにあたり、キャンプで得た経験をどう生かしたいですか?

宮里 即席チームでコミュニケーションを取る中で、「選手同士で直接言い合うことが1番ダイレクトに伝わる」ということを学びました。コーチからの指示を待つだけでなく、まずは自分自身がコート上で姿勢を見せ、その上で選手同士で密にコミュニケーションを取っていく。それがチームを1つにし、チャンピオンシップで優勝するための鍵だと思っています。

司令塔として自身が体感した「世界基準」をチームに落とし込んでいく[写真]=Bリーグ

――世界大会で実感した「球際の強さ」もチームに伝えたい部分でしょうか?

宮里 はい。世界レベルの試合では、選手たちがルーズボールに対して頭から飛び込んでいきます。日頃の練習の一つひとつのメニューから、それくらいの激しさでバチバチやり合わないと本番の試合には勝てません。自分がまずプレーで背中を見せ、「もっとやろう」と声をかけながら、チーム全体の強度を引き上げていきたいです。

――最後に、宮里選手のキャリアを通じた最終的な目標を教えてください。

宮里 まずは、アカデミー時代から育ててもらった琉球ゴールデンキングスのトップチームに入り、プロ選手として沖縄に恩返しをすることが第1の目標です。そこをクリアした先で日本代表に選出され、ワールドカップやオリンピックで活躍したい。そして最終的な目標は、海外、NBAの舞台でプレーすることです。高すぎる目標に焦るのではなく、目の前にある短期的な目標を1つずつクリアしながら、着実に夢に向かって進んでいきたいと思います。

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