バックスがリードを広げ、レイカーズが追い上げる中、ホームのバックスが逃げ切る
12月20日(現地時間19日)に行われたミルウォーキー・バックスとロサンゼルス・レイカーズによる一戦は、イースタン・カンファレンス、ウェスタン・カンファレンスでそれぞれ24勝4敗とトップに立つチーム同士という頂上決戦となった。
ホームのファイサーブ・フォーラムで迎えたバックスは、第1クォーターを23-17で終え、レイカーズをわずか17得点に抑える見事なディフェンスで主導権を握っていく。
第2クォーターに入ると、ヤニス・アデトクンボとクリス・ミドルトンのショットで12点差をつける。負けじとレイカーズはレブロン・ジェームズが5連続得点で対抗するも、バックスの勢いは止まらない。
アデトクンボの3ポイントやカイル・コーバーのフリースロー3本、ミドルトンとウェスリー・マシューズの長距離砲も飛び出し、21点までリードを広げていった。
レイカーズはダニー・グリーンとケンテイビアス・コールドウェル・ポープが何とかつなぐも、バックスはミドルトンやジョージ・ヒル、アデトクンボらが加点していき、65-46と、19点の大量リードで試合を折り返す。
後半に入ると、レイカーズはグリーンとレブロンの3ポイント、アンソニー・デイビスのショットで点差を詰めていき、残り12.0秒でデイビスがタフショットを放り込んで1ケタ点差(81-89)で最終クォーターへ。
バックスではアデトクンボ、ミドルトンがファウルトラブルになる中、レイカーズもレブロンが5ファウル目をコールされ、両チームの主軸が苦しい状況へと追い込まれていくものの、バックスはミドルトンやマシューズが貴重な追加点となる3ポイントを沈めてリードを死守。
レイカーズは残り29.8秒にグリーンがこの日7本目となる3ポイントをねじ込んで5点差まで追い上げたものの、ミドルトンが残り26.9秒にフリースロー2本を確実に決めて勝負あり。最終スコア111-104でバックスが逃げ切った。
「僕はここにいるはずの選手ではなかったんだ。2人の怪物相手に戦うような選手ではなかったと思う」と明かしたアデトクンボ、その理由とは?
勝利したバックスはアデトクンボが自己最多となる5本の3ポイント成功を含む34得点に11リバウンド7アシスト、ヒルが21得点、ミドルトンが15得点6リバウンド、マシューズが13得点、ブルック・ロペスが10得点4スティール3ブロックをマーク。
5ファウルになる中、アデトクンボはフィールドゴール19投中11本、うち3ポイントを8投中5本も決め切る抜群の集中力を見せつけた。試合後、2013年のドラフト1巡目15位指名だった自身のバックグラウンドを交えてこう語った。
「僕は(ドラフトの全体)1位指名じゃなかった。AD(デイビスの愛称/2012年)、レブロン(2003年)は全体1位指名だった。僕はここにいるはずの選手ではなかったんだ。2人の怪物相手に戦うような選手ではなかったと思う。だからこそ、すごくハッピーだし、こういう注目を浴びる舞台で戦うことができてうれしいね。プロセスを通じてここまでたどり着くことができたんだ。僕は常に向上していきたいと思ってるよ」
この試合でゲームハイとなる36得点に10リバウンド5アシスト3ブロックをたたき出したデイビスは「あの男には敬意を表するしかないね。脱帽したよ。そして僕らは前に進んでいく」と手短にコメント。
もっとも、バックスはアデトクンボの力だけで勝利したわけではない。「僕らがチームとしてプレーしたからさ。皆が同じメンタリティーで臨み、今夜はレイカーズ相手に(オフェンスとディフェンスの)両エンドでいいプレーを見せることができたんだ」とヒルはチームとしての勝利を強調していた。
今季初の2連敗を喫したレイカーズでは、デイビスのほか、レブロンがトリプルダブル(21得点12リバウンド11アシスト)、グリーンが21得点、コールドウェル・ポープが18得点を記録するも、ベンチポイントはわずか4得点。劣勢の状況が長かったからか、消極的な場面が目立った。
「俺たちはケミストリーを構築している最中で、仲間意識も作り出しているところ。アウェーで一緒にチームとしてプレーしているんだ」と語ったレブロン。敗れはしたものの、第2クォーター途中で21点ビハインドとなる中、手に汗握る熱戦へと持ち込んだことは、この試合で得た1つの収穫と言っていいだろう。
両チームによる今季第2戦は、来年3月7日(同6日)。レギュラーシーズン終盤に入り、戦力がかみ合うことで、プレーオフを見据えた激戦をロサンゼルスで演じてくれると期待したい。