アンソニー・デイビスが昨季トレードを真剣に考え始めた時期はクリスマスだった?

デイビスが昨季トレードを要求した裏側を明かした[写真]=Getty Images

「昨年のクリスマスの時点で、この先も勝利を重ねることはできないと思った」

 今シーズン、ロサンゼルス・レイカーズで攻防両面に渡って活躍を続けるアンソニー・デイビスは、ここまで平均35.1分27.7得点9.3リバウンド3.2アシスト1.4スティール2.7ブロックという好成績を残している。

 一昨季にリーグ唯一となるオールNBAファーストチームとオールディフェンシブファーストチームに選出されたビッグマンは、オフェンスとディフェンスの両面に秀でた2ウェイプレーヤーの代表格の1人でもある。

 デイビスはNBA入りから昨季まで、ニューオーリンズ・ペリカンズ一筋で7シーズンをプレーしてきたのだが、今年1月下旬に突如ペリカンズと延長契約を結ぶ意志がないこと、そして優勝を狙えるチームへトレードしてほしいとチーム側へ要求し、世界中に衝撃を与えた。

 昨季中にトレードは成立しなかったものの、今年6月中旬にレイカーズとの超大型トレードが合意。デイビスはレブロン・ジェームズという現役トップクラスの実力者であり強烈なリーダーシップを発揮する“キング”とチームメートとなった。

 12月27日(現地時間26日)に『Yahoo! Sports』へ掲載された記事の中で、デイビスはペリカンズにトレードを要求することを考え始めたのが、昨年のクリスマスあたりだったと明かしていたので紹介したい。

 ペリカンズは昨年のクリスマスを迎えた時点で15勝19敗。もちろん、ペリカンズがクリスマスにプレーすることはなかった。

「僕はその時、この先も勝利を重ねることはできないと思ったんだ。それにプレーオフへ出場できるとは思えない状況だった。僕のことを知ってる人や、僕の周りにいる人たちは、僕が勝ちたいことを知ってる。そして昨シーズン、僕らは勝ち続けることはできないと感じていた。でも僕はなんとしてでも勝ちたかった。事実、僕らは昨シーズン、開幕から4連勝という最高のスタートを切ったんだけど、そこからケガ人が出てしまったんだ。でも僕自身は、そういった状況の中でもチームをリードしていこうとトライしてきた」とデイビスは振り返る。

デイビスがリーグトップクラスの個人成績を残しても、白星はなかなかついてこなかった[写真]=Getty Images

「僕はキャリアが終わる前に、勝利できる環境に身を置きたかったんだ」と告白

 だがペリカンズはその後も黒星先行となり、1月29日(同28日)にトレードを要求することとなった。

「このリーグで、長い期間プレーできる時間なんてないんだ。全てがあっという間に進んでいく。だから僕はキャリアが終わる前に、勝利できる環境に身を置きたかったんだ。できれば複数のチャンピオンシップを勝ち取りたいし、シーズンを通じて勝ち越して終えたい。その時、僕の頭の中にはそのことしかなかったんだ。少なくとも、僕は自分の頭の中にあることを組織の人たちへ知ってもらいたかった」とデイビス。

 昨季までのキャリア7シーズンのうち、デイビスがプレーオフへ進出したのはわずか2度。そのうち2015年は1回戦でゴールデンステイト・ウォリアーズにスウィープ負け。18年は1回戦こそポートランド・トレイルブレイザーズをスウィープで下したものの、カンファレンス・セミファイナル(対ウォリアーズ)で1勝4敗と、勝ち進むことはできなかった。

ペリカンズの大黒柱として奮闘するも、デイビスはウォリアーズの壁を超えることはできず[写真]=Getty Images

 レイカーズは現在4連敗を喫しているとはいえ、24勝7敗でウェスタン・カンファレンス首位を堅持。そして今季はデイビスのキャリアの中で初となる、優勝候補の一角と評されるチームでプレーすることができている。

 レギュラーシーズンは来年4月まで続く長丁場。チャンピオンシップを制するためには、そこから約2か月間にも及ぶプレーオフを勝ち抜かなければならない。

 レブロンをはじめ、優勝やNBAファイナルを知る選手たちがそろうレイカーズは、まだまだチームケミストリーを構築している段階ではあるものの、デイビスは充実感にあふれた表情でプレーしている。

 まるでトレードを公に要求したことで受けた批判を、自らのプレーで黙らせるかのような強い思いさえ感じさせるデイビス。はたして、今季レイカーズがどこまで勝ち進むことができるのか。確固たる決意と自信をのぞかせるデイビスのプレーに今後も注目していきたい。

レブロン(左)との超強力タッグで、デイビス(右)は今季どこまで勝ち上がることができるのか?[写真]=Getty Images

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