アイドルでメンターでもあるコービーへ捧げた背番号8と24本のショット
1月27日(現地時間26日、日付は以下同)。ヘリコプターの墜落事故により、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ/享年41)とその娘ジアナ(享年13)を含む計9名が逝去した。
NBAでは計8試合が行われ、コービーが現役時代に着用し、いずれもレイカーズの永久欠番となった「24」にちなんで、試合開始後、最初のポゼッションでショットクロックバイオレーションを記録して追悼していた。
アトランタ・ホークスはホームのステイトファーム・アリーナでワシントン・ウィザーズと対戦。キャリア2年目の今季、オールスター初選出をスターターで飾ったトレイ・ヤングは、コービーがキャリア最初の10シーズンで着用していた背番号8を身にまとってアリーナに登場。
ヤングにとって、コービーはアイドルであり、メンター(助言者)として飛躍的な成長を後押しした殊勲者と言ってもいい存在。ヤングは最初の数秒間を8番でプレーし、ホークスは最初のポゼッションでバックコートからフロントコートへボールを運ばず、8秒バイオレーションでコービーへ追悼。
その後、本来の11番を着用したヤングは、前半だけで21得点、10アシストを奪い、前半終了間際にはハーフコートショットを放ち、ブザービーターで決まると両手を胸に当てて天国にいるコービーへ自身の思いを届けた。
試合はヤングがいずれもゲームハイとなる45得点14アシストをマークしたホークスが152-133でウィザーズに勝利。ヤングは“24本”のショットを放ち、そのうち13本を成功、3ポイントも11投中6本、フリースロー16投中13本を決め切った。
「コービーはこれからも僕のことを見守りながら、応援してくれるはず」
会場インタビューで「本当につらいこと。バスケットボール界にとって、今日はとてもタフな日だ」と語ったヤングは、試合後に複数のメディアを前に「最後にコービーと話した内容の1つは、彼がどれだけ僕のゲームが進歩しているかを教えてくれたこと、そして彼はそのことを喜んでくれたんだ」と、時折言葉に詰まりながら明かしたヤングは、このように続けた。
「彼は僕のことを誇りに思うと言ってくれたし、ジジ(ジアナの愛称)や子どもたちにとって、ロールモデルとなって尊敬されるような選手になり続けることを望んでいる」。
また、昨夏コービーとのワークアウトを通じて親しくなったジアナは、ヤング見たさに今季だけで2度も観戦に訪れていた。「彼女は僕のプレーがどれだけ大好きなのかを教えてくれた。彼女は、僕の大ファンだったんだ」とコメント。
オールスター初選出が決まり、真っ先に母親と喜んだヤングは、試合前に母親と抱き合い、「力の限りプレーしなさい」と言われたという。そしてヤングはウィザーズ戦について「コービーはこれからも僕のことを見守りながら、応援してくれるはず。だから今夜の僕は、彼のためにコートへ立ち、自分にできる限りの力を出してプレーした」と明かした。
1月27日は、コービーとの早すぎる別れに世界中の人々が言葉を失い、途方に暮れた。ヤングは今後、コービーに見守られながら、憧れのアイドルが生涯をかけて愛し、全てを捧げてきたバスケットボールへ打ち込んでいく。