2度の延長の末にセルティックスが強敵クリッパーズを撃破
2月14日(現地時間13日、日付は以下同)。オールスターブレイク前の最終日として、NBAでは2試合が行われた。
オクラホマシティ・サンダーとニューオーリンズ・ペリカンズの試合は123-118でサンダーが勝利。ロサンゼルス・クリッパーズとボストン・セルティックスによる一戦は、2度の延長にもつれ込む激戦をセルティックスが141-133で制した。
リーグ上位チームによる試合は、第4クォーター残り46.8秒にマーカス・モリスSr.が長距離砲を放り込んでクリッパーズが延長へ持ち込むと、1度目の延長残り21.0秒にもランドリー・シャメットが値千金の3ポイントをねじ込んでクリッパーズが粘りを見せる。
だが、2度目の延長残り約2分半からマーカス・スマート、ジェイソン・テイタムのレイアップ、残り1分36秒にゴードン・ヘイワードが3ポイントを成功させ、セルティックスが長丁場に終止符を打った。
そしてこの試合の第1クォーター途中。セルティックスのホーム、TDガーデンでサプライズビデオが流された。2000年代後半から2010年代序盤にかけて6シーズンをプレーしたケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)が着用していた5番を、来季永久欠番にすることを発表したのである。
Energy and intensity unmatched. #KG5 pic.twitter.com/jg8knc3HGq
— Boston Celtics (@celtics) February 14, 2020
「彼はこのフランチャイズのカルチャーを変えたんだ」と恩師リバースHC
KGことガーネットは、第一期ウルブズ在籍時の2003-04シーズンに平均39.4分24.2得点13.9リバウンド5.0アシスト1.5スティール2.2ブロックをマーク。チームをウェスタン・カンファレンストップの58勝24敗へと導き、シーズンMVPにも輝いた実績を誇るスーパースター。
211センチ108キロという鋭利な刃物のような肉体に、ガードのようなクイックネスと驚異の身体能力を兼備し、あふれんばかりの情熱を注ぎ込んできたビッグマンは、リーグ屈指の実力者として君臨。だがウルブズではプレーオフ1回戦をなかなか突破できず、07年夏にセルティックスへ移籍。
ポール・ピアース、レイ・アレン(共に元セルティックスほか)と共に“ビッグ3”を形成して迎えた07-08シーズン。セルティックスは開幕から絶妙なケミストリーを奏でて白星を量産。リーグベストの66勝16敗をマークし、プレーオフでは序盤に苦しんだものの、セルティックスはフランチャイズ史上17度目のチャンピオンシップを手にした。
ガーネットはセルティックスで主に守護神として君臨。コート内外でリーダーシップを発揮し、チームメートたちへ指示を送りつつ、自身は積極的にカバーに入るなど、チームディフェンスのアンカーとして絶大な存在感を発揮。
膝のケガにより、翌08-09シーズンのプレーオフを欠場し、連覇こそならなかったものの、09-10シーズンには再びNBAファイナルへ進出。自身の役割をハイレベルでこなし、攻防両面で重要な働きを見せていた。
現在クリッパーズの指揮官で、当時セルティックスを指揮していたドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は「私は彼についてしょっちゅう言ってることだけど、彼は偉大なスーパースターであり、これまでで最高のロールプレーヤーなんだ。彼は(ウルブズで)スーパースターだったが、(ボストンでは)彼自身に与えられた役割をチームのためにこなした。彼がどれほどのことをやり遂げたか、私には分からない。でも彼はそれをやってのけたんだ」と語り、こう称えていた。
「彼はこのフランチャイズのカルチャーを変えたんだ。我々は彼のような選手を必要としていた。そして彼は見事にやり遂げて、今もこのチームに残っている。それこそが、ガーネットという男なのさ」。
セルティックスでプレーした6シーズン。ガーネットは396試合に出場して平均31.0分15.7得点8.3リバウンド2.7アシスト1.2スティール1.0ブロック。個人成績だけで言えば、ウルブズ在籍時(平均19.8得点11.0リバウンド4.3アシスト1.4スティール1.6ブロック)よりもダウンしているが、チームに数多くの勝利をもたらしてきた。
「セルティックスで自分の背番号が永久欠番になることは光栄であり、感謝している。私はこれからもずっと、この組織のオーナーシップとダニー・エインジ(ゼネラルマネジャー)、ドック・リバース、チームメートたち、セルティックネイションに対して計り知れないほどのリスペクトを抱き、感謝していくでしょう」
ビデオの中でそう口にしたガーネットは、今年のバスケットボール殿堂入り候補にも選ばれており、何かトラブルでもない限り、文句なしで選出されることだろう。