10年ぶりの優勝向けて邁進していたレイカーズ
今季はシーズン序盤から勢いに乗り、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスというスーパースターを中心にここまで勝ち星を重ねてきたロサンゼルス・レイカーズ。彼らだけでなく、守備に長けたエイブリー・ブラッドリーや献身的なプレーをするドワイト・ハワードなど、ロールプレーヤーたちの活躍もあって、レイカーズは2012-13シーズン以来のプレーオフ進出を決めていた。
しかしここからポストシーズンに向けてギアを上げていこうという段階で、新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンは中断。ここまでレイカーズは戦績49勝14敗でウェスタン・カンファレンスの首位をキープし、チームとしては10年ぶりの優勝を目指していた。
『The Athletic』のマイケル・リー記者によれば、レイカーズのベテラン選手であるジャレッド・ダドリーが、このシーズン中断のチームへの影響について言及。「たとえ来季にチャンピオンシップを勝ち取ったとしても、それは僕らにとってベストチャンスではないんだ」とコメントしている。今季はシーズンの滑り出しはよかったものの、多くの選手たちがケガに苦しんでいた。また今年1月にはレイカーズのレジェンド、コービー・ブライアントが事故で亡くなり、球団とファンが一致団結してこの悲しみを乗り越えようという結束を固めていた。
さまざまな思いが交錯する中、レイカーズがここまで苦難を克服しようと奮闘してきたことを鑑みれば、好成績を収めてきた今季こそが優勝する最大のチャンスなのだろう。ダドリーは、「このまま来季に移行するにせよ、今季こそが優勝を目指す上で一番のチャンスなんだ。すべての準備は整っていた」と語っている。「今季における、僕らがここまで続けていたこの勢いというのを、もう一度繰り返すことは難しい」ともつづっており、今季のここまでのレイカーズがどれだけ心身ともに最高の状態であったかがうかがえる。
ピークを見据えてコンディショニングしてきた選手たちの肉体と精神は、このシーズン中断の影響を大きく受ける形となってしまった。しかしレイカーズのブラッドリーは、コートに立てない中でもバスケットのマインドを維持し続けて、仲間たちと常に連絡を取り合っていると話す。シーズン再開がアナウンスされれば、再びレイカーズは気持ちを切り替えて今季に臨んでくれることだろう。