ブルズ史上最強の先発陣にMJ、ピペン、ローズ、ガソルに自身も加えた自信家
1997-98シーズンのシカゴ・ブルズを追跡したドキュメンタリー“The Last Dance”のエピソード1と2が4月20日(現地時間19日、日付は以下同)に『ESPN』と『ESPN 2』で公開され、平均610万人が視聴。『ESPN』がこれまで放送してきたドキュメンタリー史上最高の数値を叩き出した。
このドキュメンタリーは1990年代で2度目の3連覇を成し遂げたシーズンにフィーチャーしたものとなっており、MJことマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピペン(共に元ブルズほか)、デニス・ロッドマン(元デトロイト・ピストンズほか)、フィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)を筆頭に、20年以上も前の生々しい言葉と映像が飛び出す珠玉のコンテンツとなっている。
それだけに、世界中のバスケットボールファンだけでなく、NBA選手も“The Last Dance”を観てSNSで様々なリアクションを見せている。現在ブルズのエースを務めるザック・ラヴィーンもその1人で「今すぐにでも全部のエピソードを観てたかもしれない」と興奮を隠せない様子だった。
そのラヴィーンは、先日『ESPN』のマーク・スピアーズ記者によるインタビューショー“Roundball Rap”にケニョン・マーティン(元ニュージャージー・ネッツほか)と共にゲストとして出演。そこでブルズのフランチャイズ史上におけるオールタイムスターティング5について聞かれると、デリック・ローズ(現デトロイト・ピストンズ)、ジョーダン、ピペン、パウ・ガソル(現ポートランド・トレイルブレイザーズ コーチングスタッフ)に自身の名前を加えていた。
ブルズ在籍3シーズン目となった今季、ラヴィーンはここまで60試合に出場して平均25.5得点4.8リバウンド4.2アシスト1.5スティールをマーク。得点、リバウンド、スティールに3ポイント成功数(平均3.1本)でキャリアハイの成績を残している。
「俺はまだプレーオフ初出場を目指しているくらいだから」と現実を受け止める
2017年6月にミネソタ・ティンバーウルブズからトレードでブルズへ加入後、6度の優勝回数を誇るチームでプレーするマインドについて、ラヴィーンは「初めて練習施設に歩いていった時に気付いたよ。俺はミネソタからやって来た。あそこには数多く勝利してきたことを表すものがなかったからね」と切り返し、こう続けていた。
「でもシカゴにはチャンピオンシップのほかにも多くのバナーが掲げられていた。それはもちろん、マイケル・ジョーダンとスコッティ・ピペンが成し遂げたもの。皆が尊敬している2人だ。特にジョーダンは、皆がインスピレーションを受けた存在であり、(背番号で永久欠番になっている)23番が掲げられていて、彼の銅像を見ることができる。だから(シカゴという街は)スペシャルな場所なんだ」。
自信満々にオールスタイムベスト5に自身を入れたラヴィーンは、個人成績だけで言えば今季リーグ有数の数字を残しているものの、チームとしてはイースタン・カンファレンス11位の22勝43敗と、優勝どころかプレーオフにさえ届いていない。
それはラヴィーンも重々承知しており、「もちろん、チームとして見た場合、(1990年代当時と今のチームを)比較できるわけがない」と口にし、少し笑みを浮かべながら「俺はまだプレーオフ初出場を目指しているくらいだから」と現実をしっかり受け止めていた。
新型コロナウイルスの影響により、シーズンが中断となってから、ブルズはバスケットボール運営部門のエグゼクティブバイスプレジデントにアルトラス・カルニショバスが就任。それに伴い、ガー・フォアマン前GM(ゼネラルマネジャー)を解雇し、バスケットボール運営部門代表を務めていたジョン・パクソンは運営部のシニアアドバイザーとなった。
現在、新たなGMを探しているブルズは、カルニショバスの下で方向転換を図っている。ラヴィーンにとって、今後キャリアを好転させるきっかけになるかもしれないため、是非ともベストなコンディションをキープして準備を続けてほしい。