2020.03.19
NBAはオールスターウィークエンドを迎え、会場となったイリノイ州シカゴにはオールスター期間中のイベントに出場する選手たちをはじめ、数多くの著名人が詰めかけている。
シカゴを本拠地に置くブルズと言えば、誰もがマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)の名前を挙げるはずだ。1990年代にブルズを2度の3連覇へと導き、ファイナルMVPを史上最多となる6度も獲得し、キャリア平均30.12得点は歴代最多。
史上最高の選手を意味する“G.O.A.T.(Greatest Of All Time)”という言葉はジョーダンのためにあると断言する者も多数いるほど、そのカリスマ性はスポーツ選手の枠を超えており、今でも絶大な人気と知名度、影響力を誇る。
前回、シカゴでオールスターが開催されたのは1988年。この年はジョーダンがゲームハイの40得点に8リバウンド3アシスト4スティール4ブロックを残してMVPに輝いたほか、ドミニク・ウィルキンズ(元アトランタ・ホークスほか)との激戦を制し、スラムダンクコンテストでは2連覇を達成していた。
あれから32年。ジョーダンは2月15日(現地時間14日、日付は以下同)に『The Star Tribune』へ掲載された記事の中で、ダンクコンテストについてこう語っている。
「(当時と)今は少し異なる。おそらく、当時よりも現代の方がより難しい。これまで何度も同じようなダンクを見てきただけにね。だから(参戦する)選手たちは、選手や車を跳び越えたりと、これまで皆が見たことのないダンクを創り出そうとしている。だが我々がそうする必要はなかった。自分たち以外に時代を先行しているものは一切なかったからね」。
スラムダンクコンテストだけでなく、ゲームタイムダンカーとしてもハイライトシーンに数多く登場するジョーダンだが、印象的なダンクについて聞かれると、ノースカロライナ大学の“後輩”ビンス・カーター(現ホークス)が2000年のスラムダンクコンテストで魅せた“エルボーダンク”を挙げていた。
「私がこれまで見てきた中で最もすばらしいダンクは、おそらくビンス・カーターが肘でリムにぶら下がったダンクだろうね。あれは私にとって、本当に信じられないものだった」。
近年のスラムダンクコンテストでは、2016年にザック・ラヴィーン(現ブルズ)とアーロン・ゴードン(オーランド・マジック)によるファイナルラウンドが大きく騒がれたものの、オールスター級の選手が参戦することもなく、一発で仕留めることができない選手もいるなど、その注目度がダウンしていることは否定できない。
今年はゴードンにドワイト・ハワード(ロサンゼルス・レイカーズ)、デリック・ジョーンズJr.(マイアミ・ヒート)、パット・カナトン(ミルウォーキー・バックス)の4選手が競い合うのだが、15日のライジングスターズチャレンジ終盤に繰り広げられたザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)やジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)によるダンクショーを上回るほどのどよめきが会場で起こるかは微妙。
ただ、ゴードンとハワードはユーモアがあり、ユニークなダンクを決めてくれるかもしれない、という期待はある。ジョーンズJr.とカナトンには見事な跳躍力があるため、16日のスラムダンクコンテストは盛り上がる可能性を秘めている。
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