2018.02.08

【NBA】ビンス・カーターが世界中の度肝を抜く超絶ダンク連発! 2000年スラムダンクコンテスト/オールスター特別企画⑦

このコンテストを機に大ブレイクしたカーター[写真]=Getty Images
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2月19日(現地時間18日)にロサンゼルスのステープルズ・センターで行われる「NBAオールスターゲーム2018」。先月、オールスターの出場選手ならびにロースターが発表され、開催が刻一刻と近づいてきている。バスケットボールキングでは、67回目となるオールスター出場選手紹介に加え、オールスターにまつわる記録や大盛り上がりしたイベント、印象的なゲームなども順次お届けしていく。

<オールスター特別企画⑦>
ビンス・カーターが世界中の度肝を抜く超絶ダンク連発! 2000年スラムダンクコンテスト

 今回は、今から約18年前に行われた「NBAオールスター2000」で伝説と化したスラムダンクコンテストを紹介したい。この年はリーグ屈指のダンカーたちがコンテストに集結したことで、大きな注目を集めた。

■出場選手
ビンス・カーター(当時トロント・ラプターズ)
リッキー・デイビス(当時シャーロット・ホーネッツ)
スティーブ・フランシス(当時ヒューストン・ロケッツ)
ラリー・ヒューズ(当時フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
トレイシー・マグレディー(当時トロント・ラプターズ)
ジェリー・スタックハウス(当時デトロイト・ピストンズ)

NBA有数のアスリートが出場した近代屈指のコンテスト
 1997年に当時ルーキーだったコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)が優勝した後、98年、99年とロックアウトなどにより行われなかったスラムダンクコンテストが、2000年に復活した。この年に出場したのはガードまたはフォワードのスイングマンで、いずれも身体能力の高い選手たちだった。中でも注目を集めたのは99年の新人王カーターとこの年のルーキー、フランシス。試合中に見事なダンクをたたき込んでいた両選手が優勝候補と目された。

カーターとチームメートだったマグレディーもすばらしいダンクを披露した[写真]=Getty Images

■カーターとフランシス、マグレディーが決勝ラウンドへ
跳躍力に加え、パワーと強烈なインパクトを残したカーターが優勝

 予選で3本ずつダンクをし、点数が高かった2本の合計得点で上位3選手がファイナルラウンドへと進むことができる同コンテスト。勝ち上がったのはフランシス(計95点)とマグレディー(計99点)、そしてカーター(100点)の3人。特にカーターは、一発目から360°、しかも通常とは逆回転(左回り)でウインドミルをたたき込み、会場内に大きな衝撃を与えた。2発目はリング下から跳び上がり、またもや強烈なウインドミル。そして3発目にはマグレディーのパスを空中で受け取ると、レッグスルーを入れて豪快な一発を決め、ファイナルラウンドへと進んだ。

滞空時間の長いジャンプから難なくダンクを連発して決めたフランシス[写真]=Getty Images

 この年の出場者は、豪華なメンバーだった。191センチのフランシスは、空高く舞い上がり、滞空時間の長い優雅なジャンプからワンハンド、ボースハンドでリングを強襲。マグレディーも恵まれた身体能力を存分に発揮し、豪快なダンクをリムへたたきつけた。「カーターさえいなければ…」。1度はそう思ったに違いない。例年であれば優勝していてもおかしくはないパフォーマンスだったからだ。

まるで空中を歩いているかのようなシルエット。ジャンプ後にボールを受け取り、レッグスルーでダンクを決めたカーター[写真]=Getty Images

 だが、カーターの勢いは止めようがなかった。ファイナルラウンドで勢いよくジャンプし、ダンクした右腕をそのままリムへたたき込み、自らの肘でぶら下がる“エルボーダンク”というユニークなダンクを披露、そして最後はフリースローライン付近からボースハンドダンクを決めて優勝し、大盛り上がりのコンテストは幕を閉じた。

 コンテスト終了後、カーターは現地メディア『USA TODAY』へこのように語っていた。

 「まるで月にまで跳んでいけるんじゃないか、という感じだった。かつてないほど跳ぶことができた」

 恐ろしい話だが、もし現代でこの日カーターが見せたパフォーマンスが起きたならば、ツイッターなどのSNSが通信障害を起こしてもおかしくないほど、興奮に包まれたに違いない。カーターのパフォーマンスには、豪快さ、パワー、迫力、スピードが見事に融合されており、フィニッシュ後のシルエットも見事だった。カーターは自身のパフォーマンスについても語っていた。

 「俺がどれだけ高くリムの上まで跳び上がることができるのかを、見てもらいたかったんだ。自分の腕をリムに入れることができるんだ、ということもね。そしたら、アリーナで静かに見守っていたはずの観客が一気に騒ぎ出したんだ」

強じんな腕とジャンプ力、そしてユニークなアイデアが重なって生まれたエルボーダンク[写真]=Getty Images

 この日コートサイドでビデオ撮影をしていたシャキール・オニール(当時ロサンゼルス・レイカーズ)やケビン・ガーネット(当時ミネソタ・ティンバーウルブズ)が、カーターのダンクを見たことで度肝を抜かれ、バスケットボールに憧れる純粋な少年のようなリアクションをしていたことも印象的なシーンだった。

 今後、カーターが見せた衝撃を超えるスラムダンクコンテストが行われる可能性はある。しかし、ハイライトシーンにさん然と輝くカーターの超絶ダンクを見てしまうと、そう簡単に認めることはできないだろう。それほど大きなインパクトを与えたパフォーマンスだった。

文句なしでコンテストを制したカーター[写真]=Getty Images

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