4月20日(現地時間19日、日付は以下同)から5月18日にかけて、アメリカでは毎週日曜日に配信された『ザ・ラストダンス』は、シカゴ・ブルズが最後に優勝した1997-98シーズンを追跡した珠玉のドキュメンタリー。
計10話の中で、MJことマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピペン(共に元ブルズほか)、デニス・ロッドマン(元デトロイト・ピストンズほか)にフィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)など、大物のキャリアを振り返るエピソードもあり、それらにまつわる関係者が数多く登場した。
ここでは、20日に『HoopsHype』へ掲載された『ザ・ラストダンス』に映った時間のランキングの中から、上位30名を紹介していきたい。
※チーム名は略称、丸数字は出演したエピソード
■『ザ・ラストダンス』に映った時間ランキング(30位から21位)
30.ジョージ・カーラー(ドライバー):1分57秒(⑦~⑨)
29.JA・アダンデ(メディア):2分2秒(①、⑥、⑧、⑨)
28.バラク・オバマ(元大統領):2分11秒(①、⑤、⑩)
27.ウィル・パデュー(元ブルズほか):2分13秒(④、⑥、⑦)
26.トニー・クーコッチ(元ブルズほか):2分14秒(⑤、⑦)
25.アービン“マジック”ジョンソン(元レイカーズ):2分15秒(①、②、④、⑤)
24.アイザイア トーマス(元ピストンズ):2分17秒(①、③~⑤)
23.デイビッド・フォーク(代理人):2分20秒(①、⑤、⑧)
22.ダグ・コリンズ(コーチ):2分24秒(③、④)
21.ビル・ウェニントン(元ブルズほか):2分33秒(①、②、④、⑦~⑨)
ブルズが達成した2度の3連覇に貢献した控えセンターたちがランクイン
28位のオバマ元大統領から24位のトーマスまで、わずか6秒間に5名がランクインする混戦。クーコッチは全体としてはあまり登場していないものの、2つのエピソードだけで26番目の長さを記録したことが印象的。
なお、パデューは1991年から93年までの前期3連覇、ウェニントンは96年から98年までの後期3連覇に、それぞれバックアップセンターとして所属したビッグマン。
■『ザ・ラストダンス』に映った時間ランキング(20位から11位)
20.デロリス・ジョーダン(MJの母):2分39秒(①、②、⑤、⑦~⑨)
19.ロッド・ソーン(エグゼクティブ):2分50秒(①、③、⑤)
18.ティム・グローバー(トレーナー):2分52秒(④、⑦~⑨)
17.アーマド・ラシャド(メディア):2分57秒(①、⑥~⑨)
16.リック・テーランダー(メディア):2分58秒(①、②、④、⑤、⑦)
15.ホーレス・グラント(元ブルズほか):3分3秒(④、⑥~⑧)
14.サム・スミス(メディア):3分6秒(①~③、⑥、⑦)
13.ジョン・パクソン(元ブルズほか):3分9秒(②~④、⑥、⑦、⑨)
12.アンドレア・クレーマー(メディア):3分23秒(③、⑤~⑧、⑩)
11.マイケル・ウィルボン(メディア):3分50秒(①~⑧)
メディアが大半を占める中、前期3連覇の主力グラントとパクソンが登場
約1分間で10名がランクイン。ラシャドやテーランダー、スミス、クレーマー、ウィルボンと、メディアが6人も名を連ねることに。さらにはジョーダンの母デロリス、エグゼクティブのソーン、トレーナーのグローバーが入った。
グラントはブルズの前期3連覇でジョーダン、ピペンと共に主力を務めたパワーフォワード。リバウンドやディフェンスなど裏方の仕事を着実にこなした実力派。チームメートへの厳しさなどジョーダンの裏の顔を『The Jordan Rule』の著者サム・スミスへ暴露した“密告者”と批判されたものの、配信終了後に『ESPN』のラジオ番組に出演した際に猛反論。「それは嘘だ。俺はロッカールームにおける個人的な出来事についてリークしたことは一度もない」と発している。
パクソンはブルズに9シーズン在籍したポイントガード。ジョーダンやピペンを補佐するスポットアップシューターとして活躍し、91年のファイナルでは勝負どころでショットを沈め、93年のファイナル第6戦では3連覇を決定づける3ポイントを沈めた。
■『ザ・ラストダンス』に映った時間ランキング(10位から1位)
10.レジー・ミラー(元ペイサーズ):3分53秒(⑧、⑨)
9.マーク・ヴァンシル(メディア):4分6秒(①、②、⑦、⑧、⑩)
8.BJ・アームストロング(元ブルズほか):4分55秒(④~⑧)
7.デニス・ロッドマン(元ピストンズほか):6分1秒(①、③、④、⑧、⑩)
6.デイビッド・オルドリッジ(メディア):6分57秒(①~⑥、⑧~⑩)
5.ジェリー・ラインズドーフ(オーナー):7分1秒(①、②、⑦、⑧、⑩)
4.スコッティ・ピペン(元ブルズほか):10分26秒(①~⑦、⑨、⑩)
3.フィル・ジャクソン(ヘッドコーチ):11分46秒(①~⑩)
2.スティーブ・カー(元ブルズほか):12分25秒(①~④、⑦~⑩)
1.マイケル・ジョーダン(元ブルズほか):46分30秒(①~⑩)
メディア最多はオルドリッジ、対戦相手ではミラーがトップ
数々のエピソードを語ったカーがピペンと指揮官を抜いて全体2位に
ジョーダンが全体1位になるのは当然のことなのだが、意外だったのは2位のカー。パクソンから助言をもらい、ジョーダンとは練習中に一悶着。さらには97年のファイナル第6戦でジョーダンのアシストを受けて2連覇へと導く決勝弾を放り込んだこともあり、多くのシーンに登場していたことで、ジャクソンHCとピペンを上回る時間を記録したと言っていいだろう。
メディアではオルドリッジが最多、対戦相手としてはルーキーシーズンからジョーダンと激しいマッチアップをしてきたミラーがトップとなった。ジョーダンを“ブラックジーザス”呼ばわりするミラーは、ペイサーズのエースとして98年のカンファレンス・ファイナルで第7戦までもつれ込んだシリーズを回顧するシーンで数多く画面に映っていた。
アームストロングは前期3連覇のメンバーで、95年にジョーダンが復帰した時のエピソードを話したり、98年のプレーオフでホーネッツの一員として対決したことで8位に入った。
ジョーダンの数字はおよそ1話分の放送時間に相当するもので、カー、ジャクソンHC、ピペンの4名が10分以上を記録。選手やメディア、関係者たちによるエピソードと共に、過去に戻ることもあったものの、1話の中だけでも数々のドラマがあり、観ていて飽きないドキュメンタリーだったと言っていいだろう。