「自身の役割を理解し、アンセルフィッシュなチームメートとなって、これまで何度も重要な瞬間をくぐり抜けてきたからだ」とビル・シモンズ
今季でキャリア16年目のアンドレ・イグダーラ(マイアミ・ヒート)は、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ在籍時の2012年にオールスターに選出され、オールディフェンシブチームに2度選ばれた実績を持つ36歳。
198センチ97キロと筋骨隆々な肉体の持ち主は、これまでシクサーズ、デンバー・ナゲッツでもプレーしてきたものの、昨季まで6シーズン所属していたゴールデンステイト・ウォリアーズの印象が強い。
13年夏にフリーエージェント(FA)として加入したイグダーラは、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンらと共に主軸を務め、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の下で5年連続のファイナル進出、そして3度の優勝に大きく貢献してきたからだ。
イグダーラはウォリアーズで413試合(うち先発は84試合)に出場して平均26.7分7.3得点3.9リバウンド3.4アシスト1.1スティールをマーク。プレーオフでは104試合(うち先発は40試合)で平均29.8分9.3得点4.4リバウンド3.6アシスト1.2スティールを残し、15年の優勝時にはファイナルMVPを獲得している。
数字上ではカリーやトンプソン、グリーンや昨季までの3シーズン在籍していたケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)たちには及ばないものの、スモールラインナップで試合に決着を付けるシーンでは、必ずと言っていいほどコートにはイグダーラの姿があった。
Andre Iguodala was a MENACE on the defensive end. First he strips LeBron and then strips Kyrie. Sheesh pic.twitter.com/rBDIUSC9VZ
— Drew Shiller (@DrewShiller) July 27, 2019
5月28日(現地時間27日)にYouTubeへ公開されたポッドキャスト番組「Book of Basketball 2.0」で、『The Ringer』のビル・シモンズはイグダーラに最大級の賛辞を送っていた。
「ゴールデンステイトにいた時の彼は、リーグでベストな選手だった。カワイ(レナード/現ロサンゼルス・クリッパーズ)以外ではね。レブロン(ジェームズ/ロサンゼルス・レイカーズ)、デュラントをガードしてきたんだから。私は常に、ペリメーターディフェンダーとしてピペン(スコッティ・ピペン/元シカゴ・ブルズほか)とカワイが別次元にいると思ってる」と口にしただけでなく、イグダーラのバスケットボール殿堂入りについても言及している。
「スティーブ・カーはイグダーラのことを彼ら(ピペンとレナード)と同レベルだと感じていたはずだ。それにゴールデンステイトはピペンのようなオフェンシブプレーヤーとして、彼をそこまで必要としていなかった」
「彼は殿堂入りすべき選手だと私は思うね。プレーオフでやってのけたパフォーマンスは数多い。自身の役割を理解し、アンセルフィッシュなチームメートとなって、これまで何度も重要な瞬間をくぐり抜けてきたからだ」
今年2月。イグダーラはメンフィス・グリズリーズからヒートへ移籍後、延長契約を結んでいるため、もうしばらく引退することはないだろう。もしヒートでも優勝する重要な手助けができれば、シモンズが話したとおり、イグダーラが殿堂入りする可能性が出てくるかもしれない。