ヒートで自己最高のシーズンを送ったバトラー「俺たちは戻ってくると賭けてもいい」

ヒート在籍1年目を終えたバトラー[写真]=Getty Images

「このチームこそ俺の居場所なんだ。このチームが俺を笑顔にし、ハッピーにしてくれる」とヒート在籍1年目を総括

 10月12日(現地時間11日)に行なわれたロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナル第6戦。マイアミ・ヒートは一度もリードを奪うことができず、最終スコア93-106で敗れたことで、フランチャイズ史上4度目の優勝を達成できずに今季を終えた。

 とはいえ、今季ヒートが見せた戦いぶりは見事というほかない。イースタン・カンファレンス5位の44勝29敗でプレーオフを迎えると、インディアナ・ペイサーズとのファーストラウンドを4戦負けなしで突破。カンファレンス・セミファイナルでは優勝候補のミルウォーキー・バックスを4勝1敗で撃破し、ボストン・セルティックスとのカンファレンス・ファイナルを4勝2敗で突破して2014年以来初のNBAファイナルへ到着。

ファイナルでは“キング”ことレブロン(右)ともマッチアップしたバトラー(左)[写真]=Getty Images

 ファイナル初戦ではバム・アデバヨゴラン・ドラギッチが負傷。アデバヨは続く2戦を欠場し、ドラギッチは第5戦まで欠場を余儀なくされ、エースのジミー・バトラーも第1戦の前半に左足首を捻ってしまうアクシデントに見舞われていた。

 だがヒートはバトラーを中心に、タイラー・ヒーローやダンカン・ロビンソン、ジェイ・クラウダーアンドレ・イグダーラケンドリック・ナンケリー・オリニクら既存戦力で奮戦。

 第3戦ではバトラーが超人的なトリプルダブル(40得点11リバウンド13アシスト)に2スティール2ブロック、ヒーローとオリニクがそれぞれ17得点をマークしてシリーズ初勝利。1勝3敗と追い込まれた第5戦でも、47分12秒とほぼフル出場したバトラーが35得点12リバウンド11アシストのトリプルダブルに5スティール、7本の3ポイントを沈めたロビンソンが26得点と続き、レイカーズから2勝目を奪ってみせた。

 ファイナル敗退後、バトラーはパット・ライリー球団社長とエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)へ「俺はこのチームへ優勝をもたらすことができるだろうと言ったんだ。そしてまだ俺は自分の責任を果たしていないとね。つまり、俺は来年それを果たさなきゃいけないということ。パットとスポには、俺は勝利するためにここへやって来たんだと伝えた。だからまだ俺は自分の仕事を成し遂げちゃいないということ。前に進んで、自分の責任を果たさなきゃならない」と伝えたことを明かした。

 そして自身のインスタグラムへこう綴っている。

「マイアミ、マイアミ・ヒートという組織、コーチ・スポ、俺たちのコーチ陣、そしてチームメートたちへ、すばらしい1年目のシーズンを送ることができたことを感謝したい。ヒートネイションと俺たちのファンの愛とサポートにも感謝している。俺たちはまたこの場に戻ってくると賭けてもいい」。

 バトラーは自身初となったNBAファイナルで驚異的な活躍を見せていた。第5戦終了時点で、いずれもチームトップとなる平均42.7分29.0得点8.6リバウンド10.2アシスト2.6スティール0.8ブロックを残し、フリースロー試投数(50本)と成功数(46本)はいずれもシリーズトップ。

ファイナルでは主力を欠く中、バトラー(左)とスポールストラHC(右)が見事にチームをまとめ上げた[写真]=Getty Images

 レブロン・ジェームズアンソニー・デイビスにガードされる場面もあった中で、ヒートが誇る闘将はフィールドゴール成功率55.8パーセント、フリースロー成功率92.0パーセントと申し分ない働きぶりでチームをけん引。

 殊勲の活躍を見せてプレーオフを大いに盛り上げたバトラーは「このチームこそ俺の居場所なんだ。このチームが俺を笑顔にし、ハッピーにしてくれる。この街のため、チームメートたちのため、この組織のために勝つことができていればと思う。でも俺はこのチームがここまで上りつめてきたことをうれしく思う」と自己最高のシーズンを総括した。

 練習の鬼として知られるバトラーだけに、身体を休めた直後にハードなトレーニングをすぐさま再開するかもしれないが、今年のプレーオフを通してリーグ有数のスーパースターへと昇華したことは誰もが認めるところだろう。

 バトラー在籍2年目となる来季。ヒートは通算4度目のNBAチャンピオンへ輝くことができるのか。今季見せてきたチームの戦いぶりは、そのチャンスが十分あると期待させるものだったのではないだろうか。

バトラー(右から2番目)率いるヒートの来季が早くも楽しみだ[写真]=Getty Images

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