「彼はあのシュート力とどれほどの才能を秘めているかを見せつけたことで、数多くの選手やチームを驚かせたと思うね」とヨキッチも絶賛
今年のプレーオフで、デンバー・ナゲッツは2009年以来初のカンファレンス・ファイナル進出を果たし、リーグ有数のチームへと成長を遂げた。
オールスタービッグマンのニコラ・ヨキッチ、プレーオフで超絶スコアラーとなったジャマール・マレーという2枚看板を中心に、ナゲッツはファーストラウンドでユタ・ジャズ、カンファレンス・セミファイナルでロサンゼルス・クリッパーズと激突し、いずれも1勝3敗から3連勝という大逆転劇を2シリーズ連続で成し遂げ、NBA史上初の快挙を達成。
ロサンゼルス・レイカーズとのカンファレンス・ファイナルに1勝4敗で敗れたことで、今季を終えたナゲッツだが、シリーズ終了後にヨキッチはこんなことを漏らしていた。
「彼はあのシュート力とどれほどの才能を秘めているかを見せつけたことで、数多くの選手やチームを驚かせたと思うね。全てのポゼッションを見たことで、彼は最高の経験を積んだはずさ。プレーオフ期間に、彼は多くのことを学んだと思う」。
ヨキッチが語った“彼”とは、マイケル・ポーターJr.のこと。一昨年のドラフト1巡目14位でナゲッツから指名されたものの、ケガのため昨季を全休。今季NBAデビューを飾った208センチ98キロのフォワードは、シーズン中断前でも数試合でインパクトを残していたのだが、第二幕に入って大暴れ。
ウィル・バートン、ギャリー・ハリスをケガで欠いたナゲッツは、ポーターJr.の出番を増やしたことで持ち前の得点力を発揮。シーディングゲーム(順位決定戦)で7試合に出場したポーターJr.は平均22.0得点8.6リバウンドの活躍を見せ、オールシーディングゲームセカンドチームに選ばれた。
プレーオフに入ってからも積極的なプレーが光り、平均11.4得点6.7リバウンドにフィールドゴール成功率47.6パーセント、3ポイント成功率38.2パーセントと上々の数字を残している。
22歳のポーターJr.は、近い将来、ヨキッチと組んで先発フロントコートを形成することが期待されており、早ければ来季に実現するかもしれないほどの注目株。『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト記者は10月20日(現地時間19日)に自身のポッドキャスト番組「The Hoop Collective」でポーターJr.が「アンタッチャブルな選手」と語っていた。
「リーグの複数のチームと話していて分かったのは、ナゲッツがマイケル・ポーターJr.をトレード不可能にしていること。質問することも禁止なんだ。彼が将来のオールNBAチーム選手と聞かれたら、何人かは信じるだろうが、さすがに全員が信じることはない。これは意見が割れる議論になるからね…」。
毎シーズン、オールNBAチーム入りできるのはわずか15人。オールスター(計24人)よりも狭き門だけに、ルーキーシーズンを終えたばかりのポーターJr.に対してそこまで高い期待を抱くのは所属するチームか少数のチームくらいだろう。
だが第二幕でポーターJr.がヨキッチをはじめ、多くの選手やチームを驚かせたことは事実。今後シュート力を磨くだけでなく、ディフェンス面など改善の余地がある面も鍛えていくことで、ポーターJr.はスターターに定着し、オールスター入りすることができるかもしれない。