2022.06.17

ウォリアーズのスティーブ・カーHC「プレーオフで危機を乗り越えた要因はディフェンス」

選手、コーチとして計9度目の優勝を果たしたカーHC(右から2番目)[写真]=Getty Images
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 ゴールデンステイト・ウォリアーズは、6月17日(現地時間16日)に行なわれたボストン・セルティックスとのシリーズ第6戦を103-90で下し、4勝2敗でNBAファイナルを制した。

 2015年から19年にかけて5年連続でファイナルを経験し、3度(15、17、18年)の優勝を勝ち取ってきたステフィン・カリークレイ・トンプソンドレイモンド・グリーンアンドレ・イグダーラにとってはこの8年間で4度目となるNBAチャンピオンとなった。

「彼らは皆ユニークで、スペシャルなんだ。今回は最も(勝てる)見込みがなかったかもしれない。…この優勝はこのグループでやり遂げたことであり、我々は最高のグループだ」。

 優勝後の会見で、そう口にしたスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)にとっても、14-15シーズンにウォリアーズの指揮官へ就任後、4度目の優勝となった。現役時代、シカゴ・ブルズ(1996~98年)とサンアントニオ・スパーズ(99、03年)で5度の優勝を飾ってきた男は、計9度目の優勝を達成。

 NBAチームを率いる指揮官として、4度のチャンピオンに輝いたのは、フィル・ジャクソン(11度)、レッド・アワーバック(9度)、ジョン・カンドラ(5度)、パット・ライリー(5度)、スパーズのグレッグ・ポポビッチHC(5度)に次ぐ史上6人目の快挙となった。

「まずはすばらしいシリーズを繰り広げたセルティックスへおめでとうと言いたい。彼らは見事だった。彼らが見せたディフェンス面のアスレティシズムに長さ、タフネスを乗り越えることは、本当に難しかった。とてつもないシーズンを送ったと思う」。

 カーHCは今年の頂上決戦で対決したセルティックスを称賛し、仲のいい友人でもある敵将イメ・ユドーカHCやアシスタントコーチ(AC)陣、さらには19年のFIBAワールドカップのアメリカ代表チームでプレーしてきたジェイソン・テイタムジェイレン・ブラウンデリック・ホワイトたちを称えた。

 17、18年の優勝時には4人のベテラン陣にケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)がいたこともあり、カーHCは今回の優勝チームを15年のチームと共通点があると認めつつ、プレーオフを勝ち抜いた最大の勝因をディフェンスだと口にした。

「このシリーズではディフェンスが目覚ましかった。特に最後の3試合でね。そしてこのグループを本当に特別なものにしているのは、ステフのディフェンス面の激しさと万能性だと思っている。そしてリーダーであるドレイモンドもそうだし、ウィグズ(アンドリュー・ウィギンズ)、ゲイリー・ペイトン(二世)、クレイの復帰、ルーン(ケボン・ルーニー)の台頭、それら全てだと思う。

 キャリアの中で、そういったチームの一員でいられることは本当に幸運だ。そして私はこれまでにエリートなディフェンス抜きにチャンピオンシップを勝ち取ったチームを見たことがない。我々がこのプレーオフで危機を乗り越えた要因はディフェンスだった」。

 今夏のフリーエージェント(FA)戦線で、ウォリアーズのロースターは来季に向けて多少変動することが予想されている。そしてマイク・ブラウンACはサクラメント・キングス、ケニー・アトキンソンACはシャーロット・ホーネッツの次期HCへ就任することが決まっているため、このメンバーで成し遂げた最初で最後の優勝となった。

 それでも、ウォリアーズは今後も選手たちやコーチ陣を的確に補強し、来季以降も覇権争いへ参戦すべく、入念に準備していくに違いない。

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