2023.09.15

バスケ日本代表に続け!…中学3年でJr.NBAショーケースに参加した中村颯斗に直撃

U16日本代表でもある中村颯斗にJr.NBAショーケースでインタビュー [写真]=山脇明子
ロサンゼルス在住。1995年に渡米、現在は通信社の通信員として、MLB、NBAを中心に取材を行っている。

 10日に閉幕したワールドカップ(日本、フィリピン、インドネシア)を3勝2敗で終え、アジア最上位となって来年のパリオリンピック出場を決めた男子バスケットボールの日本。ベテランの渡邊雄太富樫勇樹比江島慎馬場雄大らに加え、河村勇輝、富永啓生という22歳コンビの活躍が光った。また6月24日からの9日間、ハンガリーで行われたU19男子ワールドカップでは、日本代表が男子史上初となるベスト8進出を決めるなど、日本バスケの若手選手は着実に成長している。

 そして、この若手たちに続こうとしているU16の選手。9月17日から24日までカタールで行われるアジア大会に挑む12人の中で、7月に米ラスベガスで行われたJr.NBAショーケースに参加し、貴重な経験を積んだのが、四日市メリノール学院中学校3年生の中村颯斗(かいと)。アメリカを含めた世界17カ国から選ばれた男女40人の有望な中学生たちとの練習やイベント参加を経て、NBAサマーリーグが行われていた会場での試合ではスターター出場。身長201センチの選手を相手にドリブル突破、続くディフェンダーもフェイクを入れたドリブルで抜いて、見事なビハインド・ザ・バックハンドパスでアシストを決めたり、好ディフェンスを見せた。

 その試合前と試合後に話を聞いた。

文=山脇明子

Jr.NBAショーケースに参加。世界の同年代と切磋琢磨

ショーケースでの試合を終えていかがですか?
中村 (今までやってきたのとは)全然違いました。やっぱり体の強さが凄かったです。最初はオフェンスが結構上手くいけたんですけど、ディフェンスの部分を指摘されて、後半はディフェンスを意識してやりました。でも相手のフィジカルが強くて、なかなか運ぶこともできなくて、ディフェンスも倒れてしまったりしました。

この試合で得た課題というのは、どういうところですか?
中村 体幹やフィジカルをもっと鍛えたらいいかなと思います。

試合の前日には、スキルを競うイベントもあったようですが。
中村 スリーポイントコンテストに出ました。初めてこういう舞台というか、大きいところでやったので緊張もあって、あまり入りませんでしたが、すごく楽しくできました。

このJr.NBAショーケースに出ることが決まった時はどんな気持ちでしたか?
中村 正直びっくりしました。アメリカも今回が初めてです。

世界から選ばれた選手たちと一緒にプレーした印象は?
中村 ハンドリングとかの部分では、すごい選手もいるんですけど、自分も負けていないかなと思いました。でも身長も低いし、ジャンプ力とか身体能力の差もあって、あと体の強さとかそういう部分で苦戦しています。でも外国人選手相手に何もできないというわけではなくて、ダブルチームに来てもそこを抜けたり、そういう部分では結構自信につながっています。

小さいと言っても、身長177センチですよね?
中村 178か77ぐらいあります。

中3にしたら高い方じゃないですか?
中村 と思いたいんですけど、僕の中学校のチームは、すごく大きい選手が集まっていて、僕はスターターの中で一番小さいぐらいです。

世界から集まった同世代の選手たちとコートに立った [写真]=山脇明子

河村勇輝のスピードで相手を抜き去っていくプレーがお手本

今のポジションは?
中村 一応シューターとかフォワードでウイングの方をやっています。

そこは自分の今やりたいポジションなのでしょうか?
中村 はい。

中村選手のプレースタイルについて教えてください。
中村 シュート力とスピードを生かしたドライブとかです。

バスケットはいつごろから始めたのですか?
中村 小学校1年生のころからです。父が高校か中学ぐらいのころにバスケを部活でやっていて、それで兄がバスケを始めて、僕もやりたいなと思って。親がきっかけで始めました。小学生のころは、母がすごく自主練につき合ってくれました。

お母様もバスケをやっていたのですか?
中村 いや、やっていません。僕と兄がバスケを始めてからすごく勉強してくれて、熱心になってくれて、感謝しています。僕の家はマンションだったのでリングとか立てられなくて、ドリブルとかの基礎練習しかできなくて、シュート練習とかできなかったんですけど、隣が公園だったので、そこで夕方学校から帰ってきて、ドリブルの練習をしたり、家の前に坂があったので走ったりしていました。その間、母がずっといてくれていました。

そういうことをやっていた中でドリブルが鍛えられたのですね?
中村 そうだと思います。

お手本にしている選手は?
中村 河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)です。スピードで相手を抜き去っていくプレーは、すごくお手本にしています。

(インタビュー時で)U16のキャンプメンバーに入っていますが、これまでのアンダーカテゴリー歴は?
中村 U13の方も選ばれましたがコロナでなくなってしまって、U14から練習会みたいな感じで参加していて、今回はU16の方に飛び級で行かせてもらいました。

それぞれの代表に選ばれることは、やはりモチベーションになりますか?
中村 はい、自信につながります。

NBAでは好きな選手は?
中村 ルカ・ドンチッチ選手(ダラス・マーベリックス)です。

ドンチッチのようになんでもできる、そんな選手になりたいのですね?
中村 なりたいです。

今回のように海外の選手とこうやって交流するのは楽しいですか?
中村 はい、楽しいです。

いつか海外でプレーしたという気持ちは?
中村 正直、海外、アメリカとか、とても行ってみたかったんですけど、今回このキャンプに参加して、みんな個人技が、個人の能力がとても高いので、僕みたいなチームプレーをするような日本人には、あまり合わないかなと感じました。でも世界を経験できてとても良かったです。

5月にシンガポールで開催され、参加したNBAアカデミー・アジア・デベロップメントキャンプはどうでしたか?
中村 シンガポールはアジアのメンバーだったので、アメリカ人のような個人の能力がずば抜けているみたいな選手はあまりいなくて、結構通用するような感じでした。アメリカ人の個人の能力は本当に凄いと思います。

今の目標は?
中村 目の前の目標は、中学2年生の昨年(全国中学校バスケットボール大会で)全国制覇をして、今年も連覇目指して練習を頑張っているので、それが一番の目標です(四日市メリノール学院中学校は8月24日、2連覇を飾り目標達成)。将来の目標は、プロの選手(Bリーグ選手)を目指していて、日本代表にも入りたいです。もっと練習してアメリカ人にも負けないように能力を磨いて頑張っていきたいです。

貴重な経験を今後のバスケ人生の糧にしたい [写真]=山脇明子

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