2024.01.26

グリーンがパリ五輪の米代表候補選外に…ヒルが説明「今年起こった出来事を考慮して」

先日発表された代表候補リストにグリーンの名前はなかった [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 USAバスケットボールは先日、今夏に開催されるパリオリンピックに向けて、候補者41名を発表した。リストにはレブロン・ジェームズケビン・デュラントをはじめとするスター選手たちと共に、タイリース・ハリバートンパオロ・バンケロチェット・ホルムグレンなど、未来を担う若手も名を連ねていた。

 最終的に選ばれた12名の選手がアメリカ代表として星条旗を背負うことになるが、チームUSAのスティーブ・カーヘッドコーチは、候補者発表の段階でゴールデンステイト・ウォリアーズの要であるドレイモンド・グリーンをロスターに加える選択肢を失った。

 グリーンは2016年、2021年のオリンピック連覇に貢献したプレーヤーである。候補者リストから同選手が外れた理由について、男子代表チームのマネージングディレクターを務めるグラント・ヒルは、以下のように説明している。

グリーンはリオ、東京と出場した2つの五輪で金メダルを獲得した [写真]=Getty Images


「我々は皆、彼の特定期間におけるキャリアと、コートの内外で取り組んでいる事柄について、多大な敬意と理解を示しています。USAバスケットボールは、彼の旅路をサポートしたいと思っています。我々は、この夏にプレーすることが彼のやるべきことに対する最高の機会だとは感じられませんでした」

 グリーンは直近の数シーズン、感情のコントロールができなくなる場面に複数回遭遇している。未だ記憶に新しいジョーダン・プールとの衝突は、その後のチームに大きな亀裂を生み、12月13日(現地時間12日)に開催されたフェニックス・サンズ戦では、ユスフ・ヌルキッチの顔を殴打し、NBAから無期限の出場停止処分を言い渡された。

 ヒルは、グリーンのこれまでの功績に感謝を述べながらも、相次ぐトラブルが選外になった理由だと付け加えた。

「彼の貢献度は大きく、彼の素晴らしさは紛れもなくこの組織の重要な一部です。しかし、今年起こった出来事を考慮して、我々は彼をこのリストに含めない決定を下しました」

 しかし、これはヒルやカーHCを含むチームUSAの幹部にとって、グリーンとの決別は最初の苦渋の決断に過ぎない。『AP通信』によると、41名のリスト内には13名の金メダリストがおり、24名のオーススター出場回数を合計すると130回を超えるほどの実力者揃いだ。さらに、ジョエル・エンビードがアメリカ代表でプレーする意向を表明し、ステフィン・カリーも2014年以来の代表入りを希望するなど、競争はとてつもなく激化している。

 ヒル曰く、選考にはすでに大きな葛藤が生まれているという。

「正直に言うと、リストが41名になるとは思いませんでした。もっと名前が少なく、30名程度を想定していました。41名に厳選することでさえ大変であり、12名まで絞るのは非常に困難な作業になります。これまで歴史が指針であるならば、7月までの間に多くのことが起こるでしょう」

 2024年のチームUSAは一体、どのような構成になるのだろうか。昨年のワールドカップの雪辱を果たすべく、フロントは“新世代のドリームチーム結成”を企んでいるかもしれない。

ヒルは相次ぐトラブルが選外になった理由だと話した [写真]=Getty Images


文=Meiji

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