2022.03.04

スラダン奨学金の須藤タイレル拓がNCAA1部のノーザンイリノイ大に進学へ

須藤タイレル拓がNCAA1部のノーザンイリノイ大へ進学(写真はイメージ)[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAへの登竜門、NCAAにまた1人新たに日本人の名前が追加される。「スラムダンク奨学金」の第13期生である須藤タイレル拓が、NCAA1部に所属するノーザンイリノイ大学(NIU)へのコミットを発表した。

 神奈川県出身で2001年生まれの須藤は、小学6年生から横浜ビー・コルセアーズのユースチームに所属。横浜市立本牧中学校を卒業後は神奈川県の強豪・横浜清風高等学校へと進学し、2度の県大会2位に貢献した。

 その後、クラブチームの先輩・​​小林良の背中を追って『スラムダンク奨学金』を勝ち取った須藤は、かつて渡邊雄太(トロント・ラプターズ)も所属したセント・トーマス・モア・スクールへと進学。

 努力を積み重ね、アメリカで日進月歩を続けた須藤に一際大きなスポットライトが当たったのは、昨年12月に開催されたブリュースター・アカデミーとの一戦だ。ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)やデボンテ・グラハム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)らを輩出した全米最強のプレップスクール相手に、須藤は36得点の大爆発。切れ味抜群のドライブに3ポイントシュートを織り交ぜた的を絞らせないオフェンスで相手を手玉に取ったプレーは圧巻の一言で、同ゲームのハイライトはSNSでも拡散された。


 こうした活躍を受け、須藤はノーザンイリノイ大学からのオファーを獲得。そして、コミットを決めた同校のみならず、現在23勝4敗でマウンテン・ウェスト・カンファレンスの2位を走るコロラド州立大学からもラブコールを受け取っていた。

 この度、須藤がコミットを決めたノーザンイリノイ大学はシカゴまで車で1時間、ミルウォーキーまで車で2時間とNBA球団が本拠地を置く都市から程近くに位置する。ハスキーズの愛称で親しまれるNIUは、これまで3度のNCAAトーナメント出場を経験(1982年、1991年、1996年)しており、2020年にはカンファレンス・ディビジョンのシーズンチャンピオンに輝いた。

 しかし、今シーズンは所属するミッド・アメリカン・カンファレンス(MAC)で5勝14敗のボトム2と苦戦中。来シーズンは須藤をはじめとするフレッシュマンの加入により、巻き返しが期待されている。

 現在の米カレッジリーグには、ネブラスカ大学の富永啓生やストーニーブルック大学のケイン・ロバーツが在籍しているほか、テーブス流河や田中力もNCAAでのプレーに近づいているなど日本バスケ界は着実に成長と前進を続けている。

 果たして、須藤は猛者たちがしのぎを削るNCAAで存在感を示し、ハスキーズの救世主となれるのだろうか。今後の活躍に期待が高まる。

 文=Meiji

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