2022.12.18

FIBAがアジア選手で『SLAM DUNK』の先発を再現…渡邊雄太が桜木花道、河村勇輝が宮城リョータと比較

FIBAがアジア選手で「SLAM DUNK」の先発5名を再現 [写真]=fiba.com
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 12月3日に全国378館で上映が始まり、公開9日間で観客動員数202万人、興行収入30億円を突破した映画『THE FIRST SLAM DUNK』。日本を代表するバスケットボール漫画『SLAM DUNK』の新たな映像作品ということもあり、国内外で大きな注目を集めている。

 映画の盛り上がりにはFIBAも反応。『SLAM DUNK』がアジアのバスケットボール界に多大な影響を与えたとして、物語の中心チームとなる湘北高校の先発5名をアジア選手と比較する、という記事を公開した(https://www.fiba.basketball/news/the-first-slam-dunk-played-by-asia-basketball-s-current-stars)。各メンバーについて、順を追って見ていこう。

■桜木花道/渡邊雄太(日本)

[写真]=fiba.com

 主人公の桜木花道と比較されたのは日本を代表するNBAプレーヤーの1人、渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)。両者ともハッスルプレーやディフェンスに重きを置いており、渡邊は大学時代に2度、所属地区のオールディフェンシブチームに選出されている。

 作中で描かれたラストゲームの山王工業高校戦では、ブザービーターとなるジャンプシュートを沈めた桜木。その背景には短期間での過酷なシュート練習があったわけだが、渡邊も3ポイントシュートを磨き、今やネッツにとって欠かせない戦力の1人になっている。「自身の持ち味を残しつつ、ゲームを拡張する手段としてアウトサイドシュートを選んだ点が類似している」とFIBAはコメントした。

■赤木剛憲/モハメド・アルスワイレム(サウジアラビア)

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 不動のキャプテン、赤木剛憲と似た選手に挙げられたのはサウジアラビアのモハメド・アルスワイレム。2018年に代表デビューを果たしてからというものの、アルスワイレムはペイントエリアの番人としてチームをけん引している。

 90年代に見られた伝統的なセンターのようなプレーヤーとして紹介されたアルスワイレム。「FIBAバスケットボールワールドカップ 2023 アジア地区予選」では現在グループEの5位に沈んでいるサウジアラビアだが、本戦に出場できるのはあと1枠となっており、彼にはゴール下での強烈なプレーが期待される。

■三井寿/ベフナム・ヤフチャリ(イラン)

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 天才シューターとして名をはせた三井寿と比較されたのは、イランのベフナム・ヤフチャリ。三井が中学時代に神奈川県大会のMVPに選出されたのに対し、ヤフチャリもU19ワールドカップでイラン代表として活躍し、2014年のFIBAアジアチャレンジでは当時19歳でシニア代表デビュー。両者とも10代で輝かしい経歴を残している。

「現在27歳のヤフチャリは、(三井が湘北でそうだったように)ベテランリーダーをこなす一方で、優れたマークマンとしての役割も担っている」とFIBAは語っている。

■流川楓/ドワイト・ラモス(フィリピン)

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 驚異的なオフェンス能力と甘いマスクを兼ね備える流川楓には、フィリピンのドワイト・ラモスレバンガ北海道)がピックアップ。「彼らは有望な可能性を秘めた選手として登場し、それぞれのチームでその期待に答えている」とFIBAはコメントしている。

 フィリピンの名門アテネオ・デ・マニラ大学を卒業後、富山グラウジーズで日本でのプロキャリアをスタートしたラモス。のんびりとした性格、比較的口数が少ないことなどが流川との共通点に挙げられたが、ぜひともその多彩なプレーで下位に沈む北海道を上昇気流に乗せてもらいたい。

■宮城リョータ/河村勇輝(日本)

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 チームの司令塔、宮城リョータと比較されたのは河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)。各キャラクターについて様々なプレーヤーを紹介してきたが、この選出に関しては「これ以上ぴったりなものがあろうだろうか」とFIBAも太鼓判を押している。

 素早いスピードとディフェンスで存在感を発揮している両名だが、FIBAは過小評価されているポイントとしてリーダーシップを挙げた。物語が進むにつれ宮城はチームの先導者として大きく成長していき、一方の河村も「渡邊や八村塁(ワシントン・ウィザーズ)、富樫勇樹千葉ジェッツ)に次ぐプレーヤーとしてフロアの主導権を握る場面もある」とコメントされている。

 今回、FIBAがピックアップした選手はアジア圏に限られたが、範囲を世界に広げれば『SLAM DUNK』で活躍した数々のプレーヤーを思わせるより多くのタレントが見つけられるだろう。自分だけの“湘北高校”を現実の選手で考えるのも、作品の楽しみ方の1つになるかもしれない。

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