4月21日、アルバルク東京はアリーナ立川立飛に三遠ネオフェニックスを迎え撃ち、81-58で快勝。オフェンスが機能し、チーム全体で25アシストを記録した。控えポイントガードである小島元基の9アシストが際立つが、この試合を含む出場49試合すべてでスターターを務めている安藤誓哉も6アシストと、司令塔の役目をしっかりと果たしている。同時に、今季20度目の2ケタとなる10得点もマーク。田中大貴とアレックス・カークが中軸を担うA東京のオフェンスで、安藤の存在感も決して見逃すことはできない。
「ボールプッシュができたことがまず良かった。最近はなかなかこういう展開にならないことが多かったんですが、みんなでディフェンスをがんばったことで僕もボールをプッシュできました。(スタッツについては)もっと上を目指したいので、メイクできるところをしっかりメイクできるようにしていきたい」
安藤といえば、前節行われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの第1戦で残り11秒に得たフリースローを2本とも外し、直後に逆転を許す痛恨のプレーがあったばかり。最大22点差からの逆転負けということもあり、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチも「選手1人のせいではない」と語っていたが、安藤本人もショックの残る負け方を引きずることなく、「初めての経験だったので当日は少しへこむところもありましたが、ああいうミスはもう取り返すことはできないので、残りの試合で勝つこと、チームに貢献することしかないと思っています」といい意味で開き直っている。
昨季秋田ノーザンハピネッツで苦い経験を味わった安藤は、期限付移籍という形でA東京に自身のステップアップの機会を求めた。その視線の先にあるのは、日本代表として躍動する自らの姿だ。
「ルカHCや周りの選手に刺激をもらいながら、新しいものを吸収して成長できていると思います。ポイントガードとしてはどんな事も必要だと思いますし、全部の場面を経験することが日本代表になる上では必要だと思うので、今はいい経験ができています」とはいえ、その目標の前にまずはチームの優勝という目指すべき場所がある。安藤はその結果を求めて、愚直なまでに全力を尽くす。
「チームに対してどういう影響を与えられているのかが半分くらい見えてきている。アグレッシブな姿勢を前面に出して、優勝に貢献したい。自分がどれくらい期待に応えられているかは考えず、ただ突き進むだけです」
文=吉川哲彦