Bリーグが開幕して3シーズンが過ぎた今、思うことがある。試合会場に若い女性ファンが増えたことだ。声を上げて応援する人、2階席でお酒やアリーナグルメを満喫しながら観戦する人、いい写真を撮ろうとカメラ片手に選手を追いかける人……。楽しみ方は様々だが、彼女たちはどのようなきっかけでBリーグを知り、いつから観戦に訪れているのか。今回、そんな彼女たちを『Bリーグ女子』と銘打ち、話を聞くことにした。
■Bリーグ女子とは——。
2016年に開幕した男子のプロバスケットボールリーグ『Bリーグ』の女性ファンを意味する語。ファン歴問わずBリーグ全体、または特定の所属チームが好きな女性を指す。略してB女(ビージョ)とも呼ぶ。
記念すべき第1回目はモデルのミーナさん。初年度の開幕戦を観戦したという彼女は、2シーズン目にはB1全チームを直接会場へ観に行くほどBリーグにのめり込んでいった正真正銘のBリーグ女子だ。インタビューに応じてくれた約1時間、ほぼノンストップで“Bリーグ愛”を語ってもらった。
インタビュー・文=小沼克年
写真=小沼克年、Bリーグ
ミーナさんが選んだ昨季のベスト5はこの5人!
――昨シーズン最も印象に残った“ミーナ的ベスト5”を教えてください。
ミーナ 推しメンの比江島(慎/宇都宮ブレックス)選手は入れたい。あとは富樫(勇樹/千葉ジェッツ)選手、岡田(侑大/シーホース三河)選手は確定。
――岡田選手を選んだ理由は何ですか?
ミーナ プレーを観ていて面白いですし、「何かしてくれるんだろうな」という期待感がヤバい。将来が楽しみな選手です。
――インサイドの選手で誰かいますか?
ミーナ ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)選手が帰化してくれたのは嬉しかったです。日本代表が強くなったのはファジーカス選手のおかげでもあるから「ありがとう!」という気持ちも込めて入れたいです。でもなー……。あとは宇都宮のジェフ・ギブス選手ですかね。ギブス選手は語っていいですか(笑)?
――ぜひお願いします(笑)。
ミーナ 背は188センチで高くないのに、何であんなにリバウンドが取れるんですかね。フィジカルが強くてスクリーンアウトもちゃんとしてる。ウィングスパンも長いし、ジャンプ力とスピードもある。だから助けてくれるというか、すごく安心感があるんです。
――なるほど。この5人でいいですか?
ミーナ いや、もう1人です。
――ファジーカス選手は惜しくも落選?
ミーナ うーん、三角で(笑)。あとはー……。
――では、思いついたら教えてください。
ミーナ ……、あ!!
――思い浮かびました?
ミーナ 横浜(ビー・コルセアーズ)のアーサー・スティーブンソン選手。
――ちょっと意外ですね。理由もお願いします。
ミーナ (2018年12月に)途中加入でしたけど、横浜の降格の危機を救ってくれた気がします。なので横浜ファンとしては、ぜひベスト5に選出したいです。
――昨シーズンの横浜は、外国籍選手の入れ替わりが激しかったですよね。
ミーナ ほんとですよねー(苦笑)。(ブランドン)コストナー選手も上手かったので捨てがたいなぁ……。えっ、そしたらどっちにすればいいですか?
――6人にしましょうか?
ミーナ いや、コストナー選手もいいですけど、ここはスティーブンソン選手で!
――無事に決まりましたね。少し話を戻します。ミーナさんは2016年の開幕から会場でBリーグを観ているとのことですが、この3年間で盛り上がりの変化などは感じていますか?
ミーナ めっちゃ感じます。まずはチケットが取れない……。開幕当初は試合前日でも1階席の割といい席が残っていたのに、今はファンクラブに入らないといい席が取れない。あとは前まで自由席だったところが、今は指定席になって値段も上がってます。
――ファンにとっては複雑ですよね。その他にもありますか?
ミーナ 客層は若い女の子が増えましたね。最初は友達と行っても私たちはちょっと“浮く”感じだったんですけど、ここ1年くらいは同世代のカップルとかも見かけるようになりました。当時は友達を誘っても反応が薄かったので、「お願い!一緒に来て」って半強制的に連れていく子もいました。だけど今は、「行ってみたかったんだよねー」みたいな友達も多いですよ。
――ミーナさんの周りだと、まだBリーグを知らない方はどのような方法で知るのですか?
ミーナ 口コミだったりSNSだと思います。あとOLの友達だと会社の上司に誘われて、断れなくて行くとか(笑)。でも、実際行ってみたら「バスケ自体は楽しかったらまた行きたい」ってなる友達もいます。
熱狂的なファンだからこそ思う、試合会場でのあれこれ
――熱狂的なファンだからこそ、Bリーグに物申したいことはありますか?
ミーナ もっと会場で“映え”たい! フォトスポットを増やしてほしいです。
――若い世代ならではの意見ですね。会場ではどのタイミングでSNS用の写真を撮っているのですか?
ミーナ 私は指定席でも開場時間に合わせて2時間前くらいに会場入りします。そして、席に荷物を置いて“映える”写真を撮りに行きます。それが終わったらご飯を買って……、そうすると大体試合開始1時間前になるんですよ! なので、(ご飯を)食べながら選手入場を見て、ウォーミングアップを見て、試合が始まるという流れです。マスコットと選手の絡みを見るのも好きなんですよ。
――完璧なスケジュールですね! ミーナさんが思う“映える”フォトスポットとは?
ミーナ ただ壁にイラストやロゴ、選手の等身大パネルとかがあるだけじゃなくて、もっと立体的なものが増えてほしいです。以前、渋谷(青山学園記念館)に人間が2、3人入れる大きいバスケットゴールがあったんですよ。そういう『THE・フォトスポット』みたいなものがあれば、普段写真を撮らない人たちも撮りやすいと思うんですよね。
――2017年のハロウィンの時期に設置されていましたね。
ミーナ 若い世代だったらBリーグを初めて観にきた人でも「記念に撮っておこう」ってなりますし、SNSにあげたなくなるので。それがSNS上で拡散されれば、もっとBリーグの認知度が広がるのかなと。でも、こんな風に言っている私は、毎回他の人と被らないような場所や撮り方を必死に探してますけどね(笑)。結局みんなと同じ場所になっちゃうのが悩みです……。
――試合会場での“映える”写真の撮り方のコツとかありますか?
ミーナ 簡単なのは小物を持って撮るだけでけっこう印象が変わります。自分で応援グッズを持って行くのもいいし、持っていない方は試合会場で配られるものを使えばいいと思います。
あと服装もポイントです。オリジナルTシャツなども会場で売ってますが、私は応援に行くチームカラーの服を着て行くことが多いです。たがらクローゼットがけっこうカラフルなんですよ(笑)。逆にチームのTシャツやユニフォームを着るなら、私服はシンプルな色味にした方が合わせやすいです。
――的確なアドバイスありがとうございます。今シーズンもたくさんBリーグを観に行きますよね?
ミーナ もちろんです。
――現時点で観戦するにあたっての目標はありますか?
ミーナ レバンガ北海道のホーム(北海きたえーる)に行ってみたいです。北海道なら観光スポットがいっぱいあって友達も誘いやすいので、ぜひ行きたいです。
――最後に、まだBリーグを観たことがない未来のBリーグ女子へメッセージをお願いします。
ミーナ まずバスケの試合のいいところは、室内競技なので天候に左右されないところだと思います。あと野球とかサッカーだと、1試合で何万人規模の方が観に来ますが、バスケはまだ何千人規模なので帰り道とか電車もそこまで混まない、という点でも行きやすいです。
皆さん学校の体育の授業で1回はバスケをやったことがありますよね? ボールを持ったまま3歩以上歩いてはいけない、このラインより外から打てば3ポイントとか、ある程度のルールは分かっていると思います。なので、試合は自然と楽しめますし、Bリーグだと選手とファンの距離も近いのですごい迫力を感じられます。カッコいい選手もたくさんいるので、まずは自分だけの推しメンを見つけて、その選手やチームを応援してあげてほしいです。
――これからさらにBリーグが盛り上がるといいですね。
ミーナ そうですね! でもこれ以上チケットが取りづらくなるのは嫌だなー(笑)。