まず新型コロナの影響下でシーズンが大きなトラブルなく進んでいることに、スポンサーの皆さまのご理解、ファン・ブースターのご協力、ボランティアスタッフや試合運営に関わる皆さまの努力によって成り立っていることに、いちバスケファンとしても感謝したいです。皆さんのおかげで無事Bリーグがかえってきました! ありがとうございます! 今回はBリーグ公式記録を作成・管理する機関「B.STATS LAB(ビースタッツラボ)」の協力を得てB1・9節11/15現在、B2・7節11/15現在のトピックを振り返ります。
文=井口基史
ガード系新外国籍選手が増加
今シーズンの特徴として、特にB1ではガード系ポジションの新外国籍選手(リーグ新加入PG・SG・SFとします)が挙げられる。外国籍2人+帰化選手orアジア枠の同時出場が認められた影響だ。まだ15試合しか消化していないこと、新型コロナウイルスの影響で合流が遅れたこともあって一概に言い切ることは不要だが、上位の宇都宮ブレックス、千葉ジェッツ、琉球ゴールデンキングスにはガード系ポジションでプレーする新外国籍選手がいます。ただ上位10チームまでは4名、下位10チームに6名とみると、勝敗に直結しているという結論は早すぎるかもしれません。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ・千葉・島根スサノオマジック・富山グラウジーズは失点を昨年同等に抑えつつ、平均得点を伸ばすことに成功。ただ、名古屋D、富山はガード系新外国籍選手or帰化/アジア枠選手の影響と別世界にいるため、ここでも影響を断定できない。みなさんおなじみのレオ・ライオンズ選手、ジュリアン・マブンガ選手がいるやん!と言えば以上終わりなのだが、プレータイム、アシスト、クラッチタイムスコアなどでもっと影響を計れそうで、開幕から順調な上位3チームにガード系外国籍選手がいることも事実であり、リーグを決める重要ルールの影響なのでこれからもみていきたいですね。
見た目の印象と実際の影響
私も含め、リーグ全体で得点が増えた印象を持つ方も多いかもしれないが、全体で「平均得点」は「+1.8」と大きな増減と言うには微妙か。ただ、「2P%」がアップしており、ガード系新外国籍選手の影響だけでなく、この数字を0.1パーセントアップのためにコーチ陣、選手たちが日々努力していること忘れてはいけない。
面白いのは「ファウル」の増加。外国籍選手が3人登録になり、ファウルアウトしてもチームメートのカバーがあると判断し、必要なタイミングでファウルを使うケースが増えているかもしれない。その影響でフリースローが増加している可能性も想像できる。1試合の平均攻撃回数を示す「Pace」も増加と、このおかげでアップテンポになった? 得点が増えた? という良い印象があるのかもしれない。これからもっと顕著に出る可能性もあるので、注目しても面白いかもしれません。
日本人選手への影響は?
ここで触れたいのは、シーズン開幕からまだ所属チームが発表されない日本人選手、特に4,5番ポジションの選手がいることだ。昨シーズンまでプレータイムのあった選手で、みなさんが良く知る選手でも無所属という状況は、最大3名外国籍選手+1名帰化orアジア枠の影響だろう。新型コロナの影響で「外国籍選手追加契約」と「日本人選手短期契約」があるが、日本人選手のチャンスというより、過去リーグにいた外国籍選手へのトップカテゴリーのチャンスの場となり、新型コロナでも資金力あるチームが活用した状況が見てとれた。追加と短期契約を認める前に、日本人未契約選手トライアウト⇒その後、短期契約可能か意思確認した外国籍選手の公平な特別ドラフトなどであれば、日本人選手を救済しながら不公平感や不満が減ったのではと想像した。影響は日本人ビッグマンのプレータイムにもあるはずで、いくつかみて取れる部分もあり、引き続き代表強化の効果と比べて計りたい。そして現在もまだ開幕しない=収入が無いはずのB3選手達、仕事を失ったBリーガーの存在も忘れてはいけない。
コアファンだけの世界になっていないか
お前が言うな! と怒られそうだが、登録等のルール変更がコアファンにしか理解できない世界になっていないかも気になる。中継に携わる身としては、バスケットライブは有料でチーム・選手を応援して下さる方が多数ご覧になる放送だ。そのため多少の専門用語やルールはご理解いただけると思いつつ、地上波放送や会場で初めてBリーグをご覧になる方にどのように映るのか。例えば日本代表躍進の立役者、ニック・ファジーカス選手を今さら帰化選手とバスケットライブで紹介することは少ないが、海外にルーツを持つ選手を差別と捉えられないように紹介しながら、登録ルールを知ってもらい、どうやってBリーグを好きになってもらうのか。海外にルーツを持つ選手が多く活躍するリーグだけに、どのように表現するか、ホームで貢献するアリーナMC、放送関係者、ゲームデープログラムや媒体の表現方法の連係も必要と感じている。
観客数を注視していこう
安全にシーズンを進めることが大前提だが、同時に地域密着を掲げスタートしたチームは安全と収入を両立させる難しい判断が求められるシーズン。地域により観客数規制割合が一律ではない、ホーム数のバラつき、会場許容の観客数の差などあるが、ファン・ブースターとしてはこちらも気になる数字のはずだ。
昨シーズン、2020年2月のマンスリーレポートでは、B1は1試合平均3,236人、B2は1試合平均1,405人とあり、各チームのフロントスタッフの戦いはすぐ正念場がくるだろうし、現場のスタッフ・選手にも知っておいて欲しい数字でもある。
みんなで会場で応援しよう! と言いにくい状況だが、アリーナの外からできるなにかを見つけたい。また、今シーズンはB2上位2チームはクラブライセンスを経て自動昇格するが、順位表と観客数順位表を見比べてもらえば、果たしてすぐB1規模の興行収入が得られるのかも、ライセンス審査と合わせて注目していきましょう。
バイウィークに序盤戦を振り返ってみたが、すでにマイチームが恋しくなっている皆さま。こういう時こそ、色々な数字や気になっていた事をバスケットボールキングWEBサイトを使ってリサーチしてみて、チーム愛を深めておきましょう。新企画の「勝手にオレ愛」も宜しくお願い致します!