2020.11.26

オールラウンドな活躍でチームをけん引する滋賀のジョーダン・ハミルトン「自分は幸せな環境でプレーできている」

攻撃て面で高い数字を記録し、チームをけん引する滋賀のジョーダン・ハミルトン[写真]=B.LEAGUE
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ここまで11試合に出場し、平均22.2得点8.2リバウンド6.8アシストと
すべての面で高い数字を記録している滋賀レイクスターズのジョーダン・ハミルトン
新型コロナウイルスの影響でチームへの合流が遅れたものの、
Bリーグデビューとなった新潟アルビレックスBB戦では2戦合計48得点をマークして大きなインパクトを与えると、
11月7日のアルバルク東京戦では27得点13リバウンド10アシストとトリプルダブルを記録。
Bリーグ挑戦初年度ながら、早くもリーグへ大きな衝撃を与えている。
リーグ屈指のオールラウンダーとして名を馳せつつある彼に話を聞いた。

インタビュー・文=岡本亮
取材日=11月23日 ※取材はリモートで実施

コンディションを100パーセントまで持っていければコンスタントに勝利を届けられる

――ここまでチームとしては6勝9敗、個人としては平均22.2得点を記録していますが、この数字についてどう感じていますか?
ハミルトン まず、個人の部分で良いスタッツを残せてるのはうれしいです。ただ、そこが全てではなくて、チームの勝利が目的なので、どれだけ自分がチームへ貢献できるかが重要です。チームとしてBリーグに入ってからチャンピオンシップへ出場したことがないので、そこに連れて行けるような選手の一人になりたいと思います。個人的に良い形でプレーできていますが、パフォーマンスは80パーセントくらいしか出せていないと感じているので、100パーセントまで持っていければチームを引っ張って、勝利をコンスタントに届けられると思います。早くそこへたどり着けるように頑張っていきます。

――お兄さんのゲイリー・ハミルトン選手は日本で長らくプレーされていて、現在滋賀県に住んでいると聞いています。お兄さんの存在は日本へ来る決め手になりましたか?
ハミルトン 兄はbjリーグやB2、B3を経験しており、以前から日本の素晴らしさを聞いていました。兄弟だけではなく、知り合いや友達にも日本でプレーしている選手は多いのですが、彼らからも日本のリーグに対しては良いことしか聞かないので、日本でプレーしたいという気持ちがずっとありました。

 私はNBAも経験していますが、NBA以外のリーグの一つとしてもレベルが高いですし、生活もしやすい国なので、来たいと思いました。このチームでは素晴らしいチームメートとプレーできていますし、素晴らしいスタッフが揃っているので、快適な環境でバスケができていると感じています。

――改めて、滋賀レイクスターズへの入団を決めた理由を教えてください。
ハミルトン 兄から「滋賀レイクスターズというチームが大きく成長している」と聞いていて、自分がチームの一員となってヘルプができたらいいなと思ったんです。昨シーズン終了後、いろいろな地域からオファーが来ていましたが、『大きく成長している』ということが最終判断を下す時の理由になりました。現在、楽しいシーズンを過ごせていますし、今後のキャリアのことを考えても、長く日本で過ごせていけたらなと感じているところです。

――滋賀という街の印象はいかがですか?
ハミルトン 素晴らしいです。まだ琵琶湖の周辺を回り切れていなくて、兄弟からも連れて行きたいところがいくつかあると言われています。そういった意味でも、自分がまだ知らない滋賀を見れるのが楽しみです。

 滋賀の人たちは優しくて、英語が話せなくてもなんとかヘルプをしてあげようという気持ちで接してくれます。皆さんが親切にしてくれるので、生活しやすいと感じています。

――ここまで11試合に出場していますが、Bリーグの印象について教えてください。
ハミルトン レベルが高く、プレーしていて楽しいリーグだと感じていますし、チームとしてももっと結果を出せたんじゃないかとも感じています。先ほども言いましたが、自分が100パーセントを出し切れていないということもあり、そこを上げていければ、チームとしてもっと勝てると思っています。

 このリーグのフォーマットで好きなのは、週末に同じチームと2連戦できるということ。1試合目でできなかったところを修正して、2試合目にやり返すことができますから。チームメートもみんなが強くなりたい、上手くなりたいという意志が強くて、練習中も常にハードワークしながら闘争心を高めあっています。このチームでは長い時で2時間から2時間半ほど練習をしていますが、その練習で終わりではなくて、開始前に早く来て練習している選手がいたり、逆にハードな練習後でも残って個人の練習をしている選手も多かったり、そういうところを見るともっとできるんじゃないかなと思います。スタッフ陣も長く残って、新しいものを取り込もうとしたり、何がいけないのか探ったりと常に意識高くやってくれているので、幸せな環境でプレーできていると感じています。

滋賀が大きく成長していることが加入の決め手になったという[写真]=B.LEAGUE

デニスHCを信じて、自分たちのパフォーマンスを発揮できるように頑張っていきたい

――ハミルトン選手から見てショーン・デニスHCはどんな指揮官ですか?
ハミルトン ヘッドコーチとして素晴らしい方ですし、人間としても素晴らしい方です。私が日本へ来る前に電話で話した時も自分のことを気にかけてくれて、どういう状況だとか、日本の生活がどういったものなのかなどいろいろな話をしてくれました。バスケットボールの部分では自分のプレーをしっかり見て、何がこのチームで生きてくるのか、どういうことをすればリーグにインパクトを残せるのか、しっかりと話をしてくれました。

 練習の中でもコーチの意見だけをぶつけるのではなく、チーム全体を見て何がベストなのかを考えてくれています。常に高いスタンダードを求めて、そこにそれぞれの選手がたどり着けるようにコーチングしてくれるので、本当に人としてもコーチとしても尊敬しています。彼がいるからこそ、チームがこの状況でやれてると感じていますし、このチームがここから下がることはないと思っているので、ここから上に上がっていくだけです。コーチを信じてチームでやっていこうと思っています。

――日本へ適応するのに時間が掛かる選手もいる中で、滋賀の3選手は早くも溶け込めているように見えます。これほど早く溶け込めた要因は何だと思いますか?
ハミルトン やはり、デニスHCの存在が大きいと思います。オーストラリア出身ということもあり、アンガス(・ブラント)とは以前から良い関係を作っていたと思いますが、自分とジョナサン(・オクテウス)をリクルートする時に電話でしっかりと理由を話してくれました。そのおかげで自分はこのチームでどういったことをしようとか、こういうふうになるんだろうということが想像できました。デニスHCがしてくれたことはとても大きかったですし、隔離期間があってチームへの合流が遅くなってしまいましたが、初日の練習でも日本人選手が暖かく迎えてくれました。初日から心地良くプレーできる環境を作ってくれたのは本当に大きかったですし、そういう環境作りをしてくれたコーチの存在は大きいと思います。

――それでは、今シーズンのチームとしての目標と個人としての目標を教えてください。
ハミルトン チームの目標は常に成長しながら、どんな対戦相手でも戦い抜くことです。私たちはどんな相手に対してもしっかり戦えるチームだと思っていますし、アルバルク東京戦でリーグ全体にそれを示せました。その後の信州ブレイブウォリアーズとの試合で皆さんを落ち込ませるようなパフォーマンスをしてしまいましたが、自分たちが一つ一つ学びながら成長していければ、そういう試合を落とすこともなくなるでしょう。興味深いことにアウェイゲームのほうが勝率が高いのですが、応援してくれてる人たちにとってもホームで勝つことが一番なので、ホームで勝てるように成長していきたいと思っています。

 個人としては数字の面でもコンスタントにやっていかなければいけないですし、それがチームの勝利にもつながると思うので、常に自分のコンディショニングレベルを保ちながらやっていくのが一番大きな目標です。シーズンはまだまだ長いので、高いレベルでずっとパフォーマンスできるようにしていきたいです。

 あと、これはチーム、個人両方の目標ですが、チャンピオンシップを目指してやっていきたいと思います。この状況で滋賀が行くのは難しいと思っている方も多いかもしれませんが、それを勝手に決めつけられるのは嫌なので、そこを目指しつつ自分たちがどんなチームなのかを周りに示せるようにやっていきたいです。そのためにもデニスHCのバスケットを信じて、自分たちのパフォーマンスを発揮していけるように頑張っていきます。

――最後にブースターへメッセージをお願いします。
ハミルトン 自分たちがホームで勝てていないのは、申し訳なく思っています。ホームで負けた試合はすべて勝てる試合を落としてしまっているので、しっかり成長して勝利を届けられるようにしていきます。ブースターの皆さんの声援は欠かせないものになっているので、これからも引き続き熱い応援を会場で送ってもらえたらなと思います。自分の家族がアメリカから来られたらもっと力を出せますが、コロナの影響でそういったことができないので、皆さんから熱い声援を送っていただけたらうれしいです。

「常に成長しながら、どんな相手にも戦い抜く」ことを目標としていると話す[写真]=B.LEAGUE

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