2021.04.02

BリーグのMr.トリプルダブルと言えば…? B1歴代トリプルダブル達成者を振り返る

Bリーグでトリプルダブルを達成した選手たち[写真]=B.LEAGUE
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 2021年3月はNBAにおいてトリプルダブルに関する新記録が相次ぎ話題となった。一方でBリーグにおいても、今シーズンは過去のシーズンと比べてハイペースでトリプルダブルが達成されているシーズンでもある。

 バスケットボールキングとスポーツナビが共同制作するBリーグ応援番組「B MY HERO!」では、3月30日配信回において「Bリーグ トリプルダブル列伝」と題して、歴代のB1リーグトリプルダブル達成者たちを振り返った。

 本稿では番組でも紹介した歴代のB1リーグトリプルダブル達成者を、彼らが残したスタッツなどとともにあらためて振り返る。番組のアーカイブはバスケットボールキングのYoutubeチャンネルでいつでも視聴可能なので、本記事と併せて楽しんでほしい。
※選手の所属は当時、データは2021年4月1日時点のもの

■2016-17シーズン トリプルダブル達成者

[写真]=B.LEAGUE


宇都直輝(富山):2017年3月19日 vs仙台 11得点10リバウンド10アシスト
サム・ウィラード(富山):2017年4月14日 vs川崎 17得点16リバウンド10アシスト

 Bリーグ初年度となる2016-17シーズンにトリプルダブルを達成したのはわずか2選手で、いずれも富山グラウジーズの選手だった。記念すべきBリーグ最初のトリプルダブル達成者となったのが宇都直輝だ。宇都はシーズン終盤戦に差し掛かる第24節の仙台89ERS戦で、11得点10リバウンド10アシストに加えて2スティールも記録し、チームを勝利に導いた。

 もう一人の達成者であるサム・ウィラードは、2013年から18年まで富山に所属したアメリカ出身のパワーフォワード兼センター。得点やリバウンドと比べると、決してアシスト数が多い選手ではなく同年の平均アシスト数も1.2という数字だったが、第28節の川崎ブレイブサンダース戦で17得点16リバウンド10アシストを記録し、トリプルダブルを達成。なお、Bリーグでウィラードが2ケタアシストを記録したのはこの試合が最初で最後となった。

■2017-18シーズン トリプルダブル達成者

[写真]=B.LEAGUE


ニック・ファジーカス(川崎):2017年11月3日 vs名古屋D 26得点11リバウンド11アシスト
桜木ジェイアール(三河):2017年12月31日 vs名古屋D 15得点11リバウンド10アシスト
宇都直輝(富山):2018年3月17日 vs北海道 20得点10リバウンド12アシスト

 Bリーグ2年目のシーズンでトリプルダブルを達成したのは3選手。最初に達成したのは川崎のニック・ファジーカスだった。リーグ初となる20得点超えでのトリプルダブルを達成したファジーカスは、この翌年に日本国籍に帰化することとなる。続いてトリプルダブルを達成したのは、帰化選手の先輩である桜木ジェイアール。当時41歳での達成は、現在も破られていないBリーグ最年長記録だ。

 さらに、宇都直輝は2年連続でトリプルダブルを達成。2度目のトリプルダブルは20得点10リバウンド12アシストでの達成となり、20得点超えのトリプルダブルは帰化選手を除く日本人選手では2021年4月1日時点で宇都以外記録していない。

■2018-19シーズン トリプルダブル達成者

[写真]=B.LEAGUE


ジュリアン・マブンガ(京都):2018年10月12日 vs横浜 15得点11リバウンド14アシスト
ライアン・ロシター(栃木):2018年11月4日 vs滋賀 12得点12リバウンド13アシスト
ケネディ・ミークス(三河):2018年12月15日 vs京都 37得点20リバウンド10アシスト
ジュリアン・マブンガ(京都):2018年12月15日 vs三河 42得点11リバウンド16アシスト
中山拓哉(秋田):2018年12月23日 vs千葉 11得点14リバウンド10アシスト
ジュリアン・マブンガ(京都):2019年1月30日 vs琉球 19得点12リバウンド11アシスト
ライアン・ロシター(栃木):2019年3月9日 vs三河 14得点10リバウンド10アシスト
マーカス・ブレイクリー(福岡):2019年3月9日 vs川崎 37得点11リバウンド12アシスト
ジュリアン・マブンガ (京都):2019年3月10日 vs大阪 17得点12リバウンド10アシスト
ジュリアン・マブンガ (京都):2019年3月23日 vsSR渋谷 29得点11リバウンド13アシスト
ジュリアン・マブンガ (京都):2019年3月24日 vsSR渋谷 45得点13リバウンド12アシスト
ジュリアン・マブンガ (京都):2019年3月30日 vs名古屋D 24得点12リバウンド13アシスト
ジャスティン・バーレル (名古屋D):2019年4月6日 vs大阪 11得点10リバウンド10アシスト

 2018ー19シーズンは外国籍選手の出場制限ルールが緩和されたためか、トリプルダブルの達成回数が飛躍的に増加した。特筆すべきはジュリアン・マブンガの存在だろう。第2節の10月12日にいきなりトリプルダブルを達成すると、12月には42得点という規格外の数字を絡めて2度目の達成。3月には4試合で記録するという偉業を成し遂げ、結局1シーズンで7度のトリプルダブルを達成してみせた。

 また、中山拓哉は同シーズンにリーグ最高勝率を記録した強豪・千葉ジェッツを相手に、11得点14リバウンド10アシストをマーク。帰化選手を除く日本国籍選手としては宇都に続いて2人目となるトリプルダブル達成者となった。

■2019-20シーズン トリプルダブル達成者

[写真]=B.LEAGUE


ヘンリー・ウォーカー(滋賀):2019年10月19日 vs名古屋D 27得点15リバウンド11アシスト
ジュリアン・マブンガ(京都):2019年12月11日 vs琉球 21得点10リバウンド11アシスト

 数多くの達成者が現れた前シーズンと比べて、2019-20シーズンのトリプルダブル達成者は2選手にとどまった。最初の達成者は滋賀レイクスターズのヘンリー・ウォーカー。NBA通算181試合に出場した経歴を持つ同選手は、加入初年度の滋賀で開幕から安定した活躍を見せ、第4節の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で27得点15リバウンド11アシストのトリプルダブルを達成した。

 2人目の達成者はやはり京都のマブンガ。このシーズンは1回のみの達成となったが、13得点9リバウンド13アシストや20得点9リバウンド14アシストなど、“トリプルダブル未遂”ともいえる活躍は何度も見せていた。

■2020-21シーズン トリプルダブル達成者

[写真]=B.LEAGUE


ジュリアン・マブンガ(富山):2020年10月4日 vs京都 22得点10リバウンド10アシスト
ジュリアン・マブンガ(富山):2020年10月28日 vs横浜 14得点12リバウンド10アシスト
ジュリアン・マブンガ(富山):2020年11月6日 vs広島 20得点11リバウンド10アシスト
ジョーダン・ハミルトン(滋賀):2020年11月7日 vsA東京 27得点13リバウンド10アシスト
カディーム・コールビー(秋田):2020年12月9日 vsA東京 18得点12リバウンド10アシスト
ジュリアン・マブンガ(富山):2020年12月12日 vs川崎 20得点12リバウンド14アシスト
カイル・コリンズワース(三河):2020年12月13日 vs新潟 14得点12リバウンド12アシスト
ジュリアン・マブンガ(富山):2020年12月20日 vs千葉 47得点12リバウンド14アシスト
ジュリアン・マブンガ(富山):2021年3月7日 vs千葉 24得点10リバウンド10アシスト
カイル・コリンズワース(三河):2021年3月17日 vs島根 11得点19リバウンド11アシスト
ジョーダン・ハミルトン(滋賀):2021年3月21日 vs富山 20得点11リバウンド10アシスト
ニック・ファジーカス(川崎):2021年3月24日 vs横浜 24得点13リバウンド12アシスト

 外国籍選手の出場制限ルールがさらに緩和された影響か、2018-19シーズンを上回る勢いでトリプルダブルが量産されている2020-21シーズン。4月1日時点で12回達成されており、そのうち6回がマブンガによるもの。まさしく、Bリーグの“ミスター・トリプル・ダブル”と言って遜色ない活躍ぶりだ。

 今シーズンはバックコートを主戦場とし、得点やリバウンドだけでなくアシストを得意とする外国籍選手が増加。その筆頭ともいえるポイントガードのカイル・コリンズワースやスモールフォワードのジョーダン・ハミルトンはトリプルダブルを2回ずつ達成している。このペースで行くとレギュラーシーズン終了までに3度目、4度目と達成してもおかしくはないだろう。

 果たして今後どの選手がこの一覧に名を連ねるのか、新たな日本人選手での達成者は現れるのか。今後もBリーガーたちの活躍から目が離せない。

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