2017.12.14

ウインターカップ男子注目選手(2)八村阿蓮(明成高校)「“真のエース”としてラストゲームに挑む」

「八村塁の弟」ではなく「八村阿蓮」として名を残せるか [写真]=山口剛生
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

12月23日から29日の期間、東京体育館において、「ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開催される。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)、国民体育大会(国体)とともに高校バスケットボール界の三大タイトルであり、ウインターカップは高校最後の王座を争う大会でもある。そして、昨年9月からBリーグが始まったと言えども、高校最後の栄冠を争うこの大会が、国内で最も人気があるバスケットボールコンテンツと言っても過言ではない。バスケットボールキング編集部では今大会で注目すべき5選手をピックアップした。
 
■(2)八村阿蓮(明成高校/高校総体2・宮城県)
 兄はウインターカップ3連覇を達成し、NBA入りを嘱望される八村塁(ゴンザガ大学2年)。2歳下の弟として大きな期待を掛けられてきた大器は、高校ラストシーズンにようやくその真価を発揮しつつある。

 試合に主力として絡むようになったのは昨年度から。高い身体能力を活かして主にリバウンドで力を発揮していたものの、エースというにはまだまだ物足りない活躍だった。インターハイは2回戦敗退、ウインターカップも1回戦敗退。華々しい成績を挙げた3年間の次に訪れた空白の時を、八村を含めた現役選手たちは苦しみながら乗り越えてきた。

 最上級生となった今年はエースとしての自覚を持ち、インターハイ準決勝の福岡第一高校(福岡県)戦では37得点16リバウンドと留学生並みのスタッツを記録。決勝の福岡大学附属大濠高校(高校総体1/福岡県)戦は得点こそ14点にとどまったがリバウンドは18個と、コンスタントに“ダブルダブル”(2つのスタッツで2ケタを記録すること。この場合は得点とリバウンド)を記録できる頼もしい大黒柱としてチームをけん引した。

 1点差に泣いた夏を越えて挑むラストゲーム。「八村塁の弟」としてではなく「八村阿蓮」という1人の選手として、観客の記憶に残る活躍を期待したい。

文=青木美帆

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