「初戦のティップオフの時に、『やっと帰ってこれたな』と。早かったのか長かったのはよくわからなかったけど、特別な気持ちでいっぱいでした」
そう2年ぶりの舞台に立った時の心境を振り返ったのは洛南高校(京都府)の星川堅信(3年)。星川は1年次から主力として活躍してきたチームのエースだ。
“冬の舞台”へ帰ってきた京都府代表の洛南は、12月24日に行われた1回戦で川内高校(鹿児島県)を91-74で破り2回戦進出を決めた。翌日の2回戦でも福島東稜高校(福島県)を97-81で破り、3回戦進出を決めた。3回戦では、福岡大学大濠高校(福岡県)と激突。前半終了時点では30-30の同点だったが、後半に入ると相手に圧倒され、最終スコア60-75で大会を去ることとなった。
星川は試合後、「パスが回らなくて『パスを回そう』と言ってたんですけど、僕も焦ってターンオーバーをして、それで速攻にいかれて……。(吉田裕司)先生が言っていたバスケットを第3クォーターからできなくなってしまいました」と悔しさをにじませた。
吉田コーチも「ベスト16からベスト8の壁は本当の強さがないとこの先は勝ち上がれない。その本当の力っていうのはチーム力。速いとかだけでは超えられない。バスケットの総合的な上手さであったり選手の層が必要になる」と全国の厳しさを再確認した。
星川はこの試合、約39分間の出場で11得点11リバウンド6アシストをマーク。それでも試合終了残り41秒になると、星川は2年生の大石日向と交代。「最後、僕とかが立つんじゃなくて、後輩たちに立ってもらって、全国で試合をするっていう雰囲気だけでも感じてもらえたらよかったかなと思います」と、後輩へバトンを託した。
最後に星川は、3年間を振り返り、「全国には6回チャンスあるうちの2回しかでれなかったですけど、それでも洛南に来たことを後悔しているわけではなくて、ここで頑張ってこれてよかったなって思いますし、洛南以外の国体とかでプレーさせてもらったので貴重な経験ができたと思っています」と語った。
吉田コーチも「大事なところでもチームに勢いを与えるリバウンドであるとか、ゴール下の力強いプレーが出ることは出ました。そういうのがコンスタントにもっと出てほしい。1年の時は簡単に打たせてもらってたので」と星川の成長を評価した。一方で「自分でもやらなきゃいけないし、ボールも動かさないといけないっていう部分では、まだまだ教えきれなかった」と反省の言葉も口にした。
「今日もOBの方とか保護者の方もたくさん応援に来てくださいました。東京に3日前くらいに来て、関東の大学に進学されたOBの方と練習ゲームもしてもらって、恥ずかしいプレーはできないなと思いました。勝ちたかったですけど、負けてしまったので、これを受け止めて今OBの方が応援してくれてるように、僕もこれから後輩たちを応援できたらいいなと思います」と感謝のメッセージを口にし、新天地での飛躍を誓った。