2021.07.26

大倉颯太から譲り受けた“背番号2”…北陸学院のエース・塚本智裕が躍動

2回戦では22得点を挙げた北陸学院の塚本[写真]=バスケットボールキング編集部
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「(相手の)正智深谷は、ディフェンスに力を入れているチームで、トラップ(を仕掛けること)が多いのですが、それに引っ掛からないようにみんなで考えてプレーしました。それが良くできていたし、前半からブレイクが出て得点につながったので、その流れで後半もいけたと思います」

「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の男子2回戦、正智深谷高校(埼玉県)との一戦を振り返ったのは北陸学院高校(石川県)の塚本智裕(3年)。

 最終的には16点差(88-72)で勝利したこの試合、塚本は22得点13リバウンド4アシストをマーク。またポイントガードとしてオフェンスも組み立てるなど、攻撃の要となって勝利に貢献した。

「自分は得点に絡む選手だと思っているので、まずは点を取ることを意識しましたが、そこで点に絡むことができたし、アシストも結構出来ました」と塚本自身は、手応えを感じたよう。だが、「ターンオーバーが何回かあったので、そこは次の試合で修正していきたいと思います」と、同時に反省点も語った。

 得意なプレーは1対1からのジャンプシュート。試合ではそのジャンプシュートからの得点だけでなく、ボール運びはもちろんのこと、アシストやリバウンドなどあらゆる場面でタフな動きを見せた。出場時間も多く、コート上では常に声を出して仲間を盛り立てる。その姿は、まさに大黒柱だ。

北陸学院は3回戦で神奈川県代表の桐光学園と対戦する[写真]=バスケットキング編集部

 その塚本が目標としている選手が大倉颯太(東海大学4年)。布水中学校(石川県)で全国優勝を果たし、北陸学院高校でも全国で活躍した偉大な先輩だ。

 その大倉本人と濱屋史篤コーチからの話もあり、塚本は北陸学院に入学後、大倉が3年生のときにつけていた背番号2を譲り受ける。

 だが、大倉の後押しがあったとはいえ、「1年生のときから試合に出させてもらっていたのですが、最初はプレッシャーがありました」と塚本。しかし今は、「3年生になって自分の代で自信を持ってやっています。(背番号2に)恥じないプレーをしていきたいです」と胸を張る。

 そんなエースに濱屋コーチは「颯太はバスケットIQが高いです。でも、クレバーなところはうちでやっていくうちに作っていけるものだし、爆発力に関しては劣らないと思います」と期待を寄せる。

「颯太さんはピック&ロールがとても上手で冷静に判断できているので、そこを見習ってシュートやアシストを冷静に考えてやっていきたいです」と語る塚本。将来的にはBリーグで活躍できるポイントガードを目指しているという。

 3回戦は神奈川県代表の桐光学園高校と対戦。「チームとしてリバウンドからの速攻を忘れずに、ディフェンスからみんなで集中していきたいです。試合の入りを良くして、勝ちたいと思います」と抱負を語った北陸学院の“背番号2”が、明日もまたチームを高みへと押し上げる。

取材・文・写真=田島早苗

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