2021.12.09

【ウインターカップ2021注目選手】山﨑一渉(仙台大学附属明成)「高校ナンバー1オールラウンダーとして導く日本一への誓い」

連覇を目指す仙台大明成のエース、山﨑一渉 [写真]=伊藤 大允
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

ウインターカップ2連覇を狙う仙台大学附属明成高校(宮城県)のエース山﨑一渉。昨年のウインターカップ決勝では東山高校(京都府)との激闘で決勝点となるビッグショットを決め、最後をブロックショットで締めくくった。1年生の頃はアウトサイドシュートに偏りがちだったが、佐藤久夫コーチから「3ポイントだけでなく、インサイドの得点もリバウンドもディフェンスもエースとして何でもやる選手になってほしい」との願いのもと年々プレーの幅を広げている。

今夏にはU19ワールドカップに出場し、ポイントゲッターとして奮闘。平均14.6得点はチーム1位で全体12位。3ポイントシュート成功率は43.9パーセントで全体3位にランクインし、30本以上試投した中ではいちばん高い確率を誇った。199センチのサイズから繰り出すその得点力は、高校ナンバーワンオールラウンダーと言っていいだろう。

ただ課題もある。FIBA U19ワールドカップでは時折消極的になったように、どんなときでも常に攻め気で向かう姿勢が求められている。その課題を解消すべく、佐藤久夫コーチはインターハイ後に山﨑をキャプテンに任命している。相棒の山崎紀人が「一渉はキャプテンになって180度変わった」と証言するように、責任感を持って周囲に声をかけるリーダーシップが出てきた。本人も課題を受け止めて「本当の意味で大黒柱になる」と取り組んでいるところだ(ウインターカップ本戦では丹尾久力がキャプテン登録となる)。

U19ワールドカップ直後に臨んだインターハイでは悔しい思いをしている。チームとしても、個人としても調整不足が響いてベスト4に終わった。その悔しさをぶつけて臨んだウインターカップ県予選では3戦すべてに100点ゲームで下してディフェンスでも圧倒。山﨑自身も得意の3ポイントやドライブのほか、優勝決定戦の東北戦では豪快なダンクを3本決め、これまで以上の積極性を前面に出している。

「ウインターカップはチームが一つになって戦い、自分の力で優勝に導いて佐藤久夫先生や支えてくれた人たちに恩返しがしたい」

仙台大明成のエースは日本一を目指して力強く誓う。

文=小永吉陽子

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