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12月23日、東京体育館と駒沢オリンピック公園総合運動場体育館の2会場で「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の幕が開けた。
東京体育館の第1試合では、大阪桐蔭高校(大阪府)と八雲学園高校(東京都)がCコート(ナイキコート)で激突。試合は前半で12点ビハインドを背負った八雲学園が最終クォーターで逆転し、68-66で熱戦を制した。
まずペースを握ったのは大阪桐蔭だった。チームの“オフェンスマシーン”である山本雪鈴(2年)が第1クォーターから17得点を挙げて存在感を放ち、ディフェンスではダブルチームやゾーンディフェンスを仕掛けて八雲学園を揺さぶる。最初の10分間で18点差をつけ、前半終了時点でも31-43と2ケタリードしていた。
しかし、ここから八雲学園が反撃。第3クォーター中盤に薮未奈海、山田優歩(2年)の連続得点でビハインドを1ケタとすると、チームの強みである『走るバスケット』を展開して流れを引き寄せる。相手のシュートが落ちる一方で久米田琉菜(3年)、田中愛聖(2年)にも得点が生まれ、第4クォーター開始3分6秒でついに逆転に成功した。
勢いに乗った八雲学園は、その後も薮、久米田の得点源がオフェンスを引っ張り、残り3分を切った時点で64-57。だが、追い込まれた大阪桐蔭も意地を見せ、オールコートディフェンスで八雲学園のミスを誘い1点差まで詰め寄る。
ここでエースの働きをしたのは八雲学園の背番号4。ポストアップから迷いなく1対1を仕掛けると、相手を押し込んでジャンプシュートを沈めた。残り1分40秒、久米田のこの日25得点目で3点差とした八雲学園は、最後まで大阪桐蔭の追撃を防いで逆転勝利を収めた。
「最初は相手のゾーンディフェンスに煽られてしまって、無駄なミスが多かった」と反省した久米田だったが、「八雲らしい速い攻撃や、一人ひとりが自信を持って外角からのシュートを決められたことが良かったです」と安堵の表情で逆転勝利を振り返った。
「仲間に頼ることも大切だけど、最上級生としてマークされたときでも攻められるようなプレーができるようになりたい」、「チームがダメな時こそ自分がゴールに向かって、パスよりも先に自分がシュートを狙いたい」などと以前から話していたエースは、その言葉どおり自らのプレーでチームを勝利へ導いた。
「やっぱり最後の大会なので、後輩の力ばかり借りているのではなくて、3年生として、キャプテンとしてチームを勝たせてあげたいという気持ちで頑張りました」
久米田琉菜は、明日もその強い気持ちを持って八雲学園の先頭に立つ。
文=小沼克年