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今年の夏、香川県で開催された「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」にて初優勝を遂げた京都精華学園高校(京都府)。夏の全国は、16回目の出場で悲願達成となった。
同校が41年ぶりにインターハイに出場したのは2008年のこと。現チームのスタッフである中川瀬名コーチが高校1年生のときで、この年はウインターカップで初出場を果たしている。
中川コーチのように京都精華学園中学校時代に全国大会で活躍した選手たちが高校に進み、高校でも中心となってチームをけん引。2019年には中学時代に全国2位となった高橋未来(デンソーアイリス)を擁してウインターカップで3位となり、チーム史上初となる全国大会3位入賞を飾った。
このように中高一貫での強化が実り、着実に強豪校への階段を登ったチームは、昨年のウインターカップで初の決勝進出。そして今年は、先にも挙げたようにインターハイで日本一を達成したのだった。
今年のチームは、イソジェ ウチェ(3年)、八木悠香、堀内桜花、ディマロ ジェシカ(いずれも2年)といった昨年からの主力が多く残る。キャプテンを務めるウチェは、188センチの高さに加えて強さがあり、巧みなステップワークからリング下で得点。それだけでなく、ランニングプレーやミドルシュートなどプレーの幅も広げている。そのウチェのバックアップにはジェシカがおり、インサイドではこの2人を中心に相手を圧倒する。
そして毎試合コンスタントに得点やリバウンドを奪い、苦しい場面での活躍が光るのが八木で、ステップからのシュートなど高いスキルも見せる。体の接触もいとわず、数字に表れない貢献も大きく、まさに“代えの効かない”選手といえる。
その八木とともに1年生の頃からスターターを担っているのが堀内で、チームの司令塔を務める。発想豊かなパスから仲間のシュートを演出する堀内は、自らも積極的に得点を挙げる攻撃型ガード。ドライブからのシュートやそこからのパスなど華やかなプレーには注目だ。
この4人に加えて、今年からスターターを務める柴田柑菜(3年)は、3ポイントシュートが持ち味のスモールフォワード。ウチェらインサイドに気を取られていると、柴田が小気味良くシュートを沈めるため、相手にとって厄介な選手といえる。
そしてシューティングガードには橋本芽依、桃井優ら1年生たちが顔をそろえる。2人とも思い切りの良いプレーが特長で、インターハイや「U18日清食品トップリーグ2022」(女子は8月27日〜11月27日の期間で開催)での実戦を重ねながら、力を付けている。
「U18日清食品トップリーグ2022」では、インターハイの直接対決で勝利した桜花学園に66-68で競り負け。「こういったゲームは予測していました。インターハイ以降、比較的に楽に勝ったゲームが多かったので、どうしてもどこかに思い上がりや緩み、おごりがあったと思います」と、山本綱義コーチは言う。
それでも、「インターハイでは(桜花学園に)0.2秒で(逆転して)勝ちましたが、あの桜花学園がどんな気持ちでここまで過ごしてきたか。選手たちはその気持ちを今一つ分かっていなかったのですが、今回の敗戦でそれが痛いほど分かったと思います。(その思いで)ウインターカップに向けてどれだけ取り組んでいけるかだと思っています」(山本コーチ)と、「U18日清食品トップリーグ2022」での敗戦はチームにとっては良薬となったよう。
夏の頂点に立った京都精華学園。その喜びにも甘んじることなく、勝利へのハングリーさを持ちながら戦うことが、ウインターカップを勝ち上がっていくカギとなりそうだ。
文=田島早苗