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『B MY HERO!』
昨年、京都精華学園高校(京都府)の1年生トリオが全国に名を轟かせた。ポイントガードの堀内桜花、センターのディマロ ジェシカ、そしてもう1人が本稿で紹介する八木悠香(いずれも2年)である。
八木は176センチの高さに加え、腕の長さを活かしてインサイドで存在感を放つパワーフォワード。堀内とともに1年次から先発に名を連ね、昨年はチームのインターハイ3位、ウインターカップ準優勝に貢献した。
京都精華のゴール下には、今年のキャプテンで大黒柱のイゾジェ ウチェ(3年)がいる。オフェンスではそのイゾジェとの合わせのプレーからの得点を得意とする八木。「去年からやっていたハイローのプレーは読まれることもあるので、ハイローがダメならもっと自分が積極的に攻める意識を持っています」と口にするように、今年は3ポイントシュートを放つ場面もあるなど、着実にプレーの幅を広げている。
今年はU16とU17日本代表メンバーにも選ばれ、「FIBA U16 女子アジア選手権大会」、「FIBA U17 女子ワールドカップ 2022」の2つの国際舞台を経験。大会後は「自分よりも身長が高い選手ばかりやったから、その人たちに対してどう攻めたらいいか、最後のフィニッシュの仕方やディフェンスの守り方も学べました」と振り返り、新たな気づきを得たようだ。念のため付け加えておくと、八木の出身は京都である。
八木の最大の魅力はリバウンドだ。身長と長い腕も大きな武器だが、それ以上に絶妙なポジショニングとタイミングで飛び込むプレーが光る。昨年からその“職人技”で何度もチームを救い、ウインターカップでも1年生ながら平均12.0リバウンドをマーク。これはチームメートのイゾジェとディマロを抑えて全体トップの数字であり、今年の「U18日清食品トップリーグ」の個人ランキングでも1試合平均12.3リバウンドを記録して2位に入った。
今夏のインターハイ、京都精華は初の全国制覇を達成。八木は直前まで代表活動に参加していたため、大会序盤は「なかなか連携が合わせられないことがあった」と話していた。しかし、3回戦では土壇場で決勝点を挙げ、自らのシュートで桜花学園高校(愛知県)を撃破。優勝までの計6試合で先発のコートに立ち、戦い抜き、栄冠を手にした。
今回のウインターカップで目指すは初優勝、そして夏と冬の2冠達成だ。前回大会の決勝後、取材対応を終えた八木がまだ報道陣から見える場所で、仲間に支えられながら誰よりも泣いていたのが印象的だった。次はうれし涙で終えるため、八木はイゾジェに次ぐ“もう1人の大黒柱”として自身2度目の冬に挑む。
文=小沼克年