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相手は11年連続28回目の出場を誇る県立足羽高校(福井県)。最終的には60−113の大差で敗れてしまったが、清水ケ丘高校(広島県)の選手たちは最後まで自分たちのスタイルを貫き、打って打って打ちまくった。
ウインターカップ初出場を果たした清水ケ丘のエントリーメンバーは9名。そのうち3名はキャプテンの藤光音葉(3年)いわく「マネージャー」だという。12月23日に行われた「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の1回戦でも、コート立ったのはわずか6名だった。
足羽も全国的には高さで劣るチームだが、172センチの藤光以外は全員160センチ以下の清水ケ丘はさらに小さい。全国でも勝つためにチームが熱心に取り組んできたのは、3ポイントシュートだった。
「自分たちは全国でどのチームよりも1番多く3ポイントを打つという目標を立てて今まで練習してきました。負けてしまったけど、そこはしっかり出せたなと思っています」
藤光が振り返ったように、清水ケ丘はこの試合で合計43本の3ポイントを放った。ちなみにこの日の2ポイントシュート数は「39」である。試合序盤から徹底してアウトサイド中心に攻撃を繰り出し、なかでも9番の住吉舞花(3年)が13本、11番の横丸紗也(2年)が14本の3ポイントを試投。しかし確率が振るわず、リングをくぐったのはわずか9本に留まった。
「最初は3ポイントが得意な住吉を中心に決めることができたんですけど、そのあとはあまり当たりが良くなかったです」と悔やんだ藤光だったが、「3ポイントから得点を重ねられた部分は清水ケ丘らしいプレーができたなと思っています」と続ける。チームトップの18得点を挙げた住吉も「自分たちのバスケットができたので良かったです」とコメント。高校3年間のラストチャンスで初の全国切符を掴んだ藤光は、ともに汗を流してきた先輩たちへ思いも明かした。
「今までの先輩たちとも、この3年間ずっとこの全国を目標に向けて練習を頑張ってきたので、自分たちの代で達成できたのはとてもうれしいです」
全国の壁は高かった。けれど、実質6人で戦った清水ケ丘の選手たちは、ウインターカップのコートに確かな爪痕を残した。
文=小沼克年