2022.12.23

夏から成長したのはコミュニケーション力…桜花学園は4年連続25回目の優勝に向けて好発進

自身は8得点に終わったものの、チームでの勝利にキャプテンの横山も満足 [写真]=バスケットボールキング
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 12月22日、「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開幕し、メイン会場となる東京体育館の第2試合では、優勝候補の一角、桜花学園高校(愛知)が登場。1回戦で福島東稜(福島)と対戦した。

 今夏、香川県で開催された「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の3回戦で、その大会を制した京都精華学園高校(京都)に桜花学園は敗れたことで今回はシード権がない。今大会では1回戦からの登場となったがそれだけに試合開始から気合十分。福王玲奈(2年)のシュートで先制すると、横山知那美(3年)、深津唯生(1年)らが続き、開始5分で12−2とすると、第1クォーターを31−14で終えた。

 福島東稜はオールコートのプレスやゾーンディフェンスを繰り出し、なんとか主導権を奪い返そうとするが、この日の桜花学園はベンチメンバーも含めて死角なし。田中こころ(2年)が20得点をあげれば、深津が15得点11リバウンドのダブルダブルを達成。ファイナルスコア106−55で2回戦進出を決めた。

 試合後にメディア対応した桜花学園の長門明日香コーチは、「出だしは少々硬さがありましたが、次第にエンジンがかかって一気にいけたので、大会の入りとしては良かったと思います」と笑顔を見せた。この試合では先発だけでなくベンチメンバーも積極的に起用。選手たちも期待に応えて、全得点の36パーセントにあたる38得点をマークした。

 長門コーチは「このチームは選手層の厚さが特徴。ですから、前半からどんどんコートに送り出そうと思っていました。誰が出ても自分のプレーを出してくれたので、今後の試合でもいろいろな選手を使うつもりなので、みんなに仕事してもらいたいと思います」と、チーム全体でウインターカップ4連覇に臨む構えだ。

 その長門コーチが夏からの成長であげたのがメンタルの部分。コミュニケーションをもっと取るように指導してきたというが、「流れが悪くなると自分たちでハドルを組んで確認していました。このあたりにチーム力が上がったことを感じます」と振り返った。

 それについてキャプテンの横山に聞くと、「チーム力がなくて負けてしまったインターハイだったと思うので、そこは冬に向けてずっとチーム同士の中でもコミュニケーションを取りながらそこを大事にしていこうとやってきました」と胸を張る。「自分はそこまでいい結果ではなかったのですけれどでも(8得点)、やっぱりチームの勝利が一番。どの選手も体力やアジリティの部分がすごく伸びて、そこはどこのチームにも負けないと思っています」と、25回目の優勝に向けて自信をみなぎらせた。

取材・文=入江美紀雄

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