2023.12.19

「主力離脱も成長期に…大軍一丸で最終決戦へ」福岡第一/ウインターカップ2023注目校

日清トップリーグでは大黒柱が途中離脱…開志国際、東山に次ぐ3位で大会を終えた福岡第一[写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 昨年、ウインターカップでは決勝で敗れて涙をのんだ福岡第一高校(福岡県)。そのリベンジも懸けた今年は崎濱秀斗と山口瑛司(ともに3年)のダブルキャプテンを中心に始動した。

 しかし、3月の『全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会』で、スターターのアピア パトリック眞(3年)が膝の大ケガ負い、いきなりアクシデントに見舞われてしまう。同大会は優勝で終えたが、「アピアがいてのバスケットをしていたので」と、井手口孝コーチも頭を抱えることとなった。

 だが、メンバー編成を変えながらチーム作りを進め、6月のインターハイ福岡県予選では優勝。決勝戦では福岡大学附属大濠高校と1枠の出場権を争い、見事に夏の全国行きを決めた。

 そして連覇をかけて臨んだインターハイ。チーム事情は決して明るいものではなく、大会前に「常に誰かがケガをしていた」(井手口コーチ)ということも影響して、「やりこめていない」状況であった。それが弱さとなって出たのが準決勝で、東山高校(京都府)との一戦に75-93で敗退。インターハイはベスト4で姿を消すこととなった。「お互いを信じ切れるぐらい練習をやらないといけないのでしょう」と、井手口コーチは試合後にコメントしている。

日清トップリーグで同時起用された宮本聡(左)と宮本耀(右)[写真]=伊藤大允


 ここまでケガに泣かされる年もなかっただろう。それでも、ウインターカップに向けて立ち止まっている暇はない。9月から11月に行われた『U18日清食品トップリーグ2023』を戦いながら強化を図ると、同リーグ戦では宮本聡と耀の“宮本ツインズ”(1年)らが台頭。「強いチームと対戦することができ、いい経験になりました」(井手口コーチ)と、チーム力を高めていった。

 9月には崎濱がトップリーグの試合中に足を骨折し長期離脱を強いられてしまったが、エース不在の間に山口をはじめ、他の選手たちが奮起。「オフェンスやディフェンスのやり方をいろいろと変えて臨んだ」という11月19日のトップリーグ最終戦(対東山)では、敗れはしたものの「少し方向性としては良くなっているかなと思います」と、兆しも見えてきた。

 そして12月に入って崎濱、アピアが本格復帰。「短い期間でチームを作っていきたいし、もう少し戦えるチームにはなるのではないかなと思います」と、井手口コーチ。全員がそろってから約1カ月弱。急ピッチでのチーム強化となるが、冬のリベンジを狙う福岡第一は、100人を超える大所帯の力を結集し、最終決戦へと向かう。

取材・文=田島早苗

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