2018.08.25

山口全中ベスト4が決定…実践学園は接戦制す、西福岡は苦しみながらも準決勝へ/男子決勝トーナメント

23日に開幕した第48回全国中学校バスケットボール大会は男女ベスト4が出そろった[写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 山口県を舞台に、8月23日に開幕した「平成30年度全国中学校体育大会 第48回全国中学校バスケットボール大会」。大会2日目の24日は男女の決勝トーナメント1・2回戦が行われ、男女のベスト4が決まった。男子は京都精華学園中学校(京都府)、福岡市立西福岡中学校(福岡県)、倉敷市立玉島北中学校(岡山県)、実践学園中学校(東京都)。女子は新潟清心女子中学校(新潟県)、高石市立取石中学校(大阪府)、八王子市立第一中学校(東京都)、朝来市立梁瀬中学校(兵庫)の4チームである。

 維新百年記念公園スポーツ文化センターで行われた男子1回戦。白山市立美川中学校は実践学園を逆転し、リードを6点差にまで広げて、第4クォーターの残り2分を切った。しかしそこから実践学園の新井翔太(3年)にフリースロー1本を含む4連続ゴール、つまりは7得点を奪われ、再逆転を許してしまう。残り時間は30秒ほどあったが、その1点の壁をもう一度乗り越えることはできなかった。

「実践学園の新井くんはディフェンスとの駆け引きや、ボールのもらい方がうまい。ウチの内田貴斗(3年)と同じタイプ。途中、エース同士でマッチアップもさせたのですが、内田のオフェンスの“脚”がなくなるのを僕が嫌がって、やめました。それだけでなく、泥臭いところを一生懸命やってきたほかの選手がいて、ここまでやってこられたので、彼らに(新井選手にマッチアップさせる)チャレンジもさせてあげたかったんです」

 美川中を率いる黒島啓之コーチはゲームを振り返って、涙を流した。

 負けたチームの選手が涙を流すことは、今も昔も変わらず、よく見受けられる。しかし野々市町立(2011年からは市立)布水中学校を率いて、全国大会の経験もある黒島コーチをもってしても、こみあげる悔しさを止めることはできなかった。それだけ選手たちと真剣に向き合い、戦ってきた証拠だろう。それでも判断に「迷いはなかった」という。それが試合後の選手とのミーティングで第一声「やりきった!」といった言葉につながったのだ。黒島コーチだけでなく、選手たちにも悔しさが残る山口全中になったが、自分たちのバスケットをやりきった悔しさはきっと、これからのステージのどこかで実を結ぶはずだ。

決勝トーナメント1回戦で実践学園は美川に1点差勝利[写真]=三上太

 決勝トーナメント1回戦までの3試合すべてを65点以上の得点で勝ちあがってきた西福岡。しかし2回戦の大分大学教育学部附属中学校戦では51点しか取れなかった。

「大分附属はすごくディフェンスのいいチームで、リズムよく得点が取れませんでした。九州ブロック大会の準決勝でも対戦して、そのときもウチが走れない、得点が伸びないといったロースコアの重苦しい展開だったので、今日もそこは仕方がないところでした」。そう振り返ったのは西福岡の鶴我隆博コーチである。

「でも大事なのはディフェンス。1クォーターを1ケタに抑えこむように粘れたことが勝因です。シュートがダメでも、点を取られなければいい。もちろん走って、得点を取るのもウチの持ち味ですが、体を張って守るバスケットも狙っていたので、理想的なゲームだったと思います。見ている人たちはスッキリしないかもしれませんが、苦しみながらも勝ったことは、いい勝ち方だと言えます」

 3日間で最大6試合という、中学生にとってタフな短期決戦では“勢い”もまた大きな力になる。持ち味の一つが出せない苦しみを感じながらも勝ちきったことは、明日の最終日にもつながるはずだ。なにしろ西福岡は昨年度の優勝校である。つまり「全中2連覇」を狙える立場にあるのだ。

 しかし鶴我コーチは至って冷静だ。「2連覇は一つの目標ですが、今年は今年のチームで戦っています。今のチームのベストゲームを出し続ければ、おのずと結果はついてくると思っています」。準決勝は京都精華学園との対戦である。4試合の平均得点が西福岡の68.5点に対して、京都精華学園は74得点。平均失点も西福岡が45.5点で、京都精華学園は49点。どちらも攻守のバランスが取れたチームである。それだけに、やはりディフェンスが勝敗のカギを握るようだ。

西福岡は大分附属のチームディフェンスに苦しんだ[写真]=三上太

 もう一方の玉島北と実践学園の対戦は、その主力メンバーが3月の「第31回 都道府県大会ジュニアバスケットボール大会2018(ジュニアオールスター)」の決勝戦で戦った、いわば再戦となる。3月は玉島北のメンバーを擁する岡山県が延長戦の末に2点差で勝っているが、単独チーム同士になったときの結果はどうだろう。

 前出の美川中の黒島コーチがおもしろいことを言っていた。「僕が石川県を率いたときのジュニオールスターでは東京都に分がいいいんですけど、単独チームで出た全中では今回の実践学園を含めて3度、東京のチームに負けているんです」。

玉島北のエースである針間大知(3年)[写真]=三上太

 明日の男子準決勝はどちらも白熱した好ゲームになりそうだ。

写真・文=三上太

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