2023.06.19

ホーバスHC、ドイツとの初戦に照準「すごく大事」…強豪撃破に意欲「チャレンジが好き」

ワールドカップに向けた日本代表候補メンバーを発表し、大会への意気込みを語ったトム・ホーバスヘッドコーチ [写真]=野口岳彦
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 日本バスケットボール協会(JBA)は6月19日、「FIBA バスケットボールワールドカップ 2023」に向けた男子日本代表(FIBAランキング36位)候補選手を発表。JBAの三屋裕子会長、JBAの東野智弥技術委員会委員長、トム・ホーバスヘッドコーチが発表会見に出席した。

 NBAでプレーする渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)の2人に加え、富樫勇樹千葉ジェッツ)や河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)など25名がメンバーに名を連ねた。

 ワールドカップの1次ラウンドでは8月25日にドイツ代表(同11位)、27日にフィンランド代表(同24位)、29日にオーストラリア代表(同3位)と対戦する。指揮官はデニス・シュルーダー(ロサンゼルス・レイカーズ)をはじめ、フランツ・ワグナーやモリツ・ワグナー(ともにオーランド・マジック)を擁するドイツとの初戦を重要視した。ワールドカップで「パリ2024オリンピック」の出場権を得るためには、アジアゾーン最上位の成績を収めなければならない。1次ラウンドで南スーダン代表(同62位)と戦う中国代表(同27位)など、FIBAランキングで格下の相手と同じグループに入ったアジアの国々に対し、日本はすべて格上の強豪国と顔を合わせることになる。

 すでにドイツのスカウティングを始めているようで、「ドイツは強いです。間違いない。最初の試合がすごく大事。選手の頭に『ドイツの力はこう』といったことを入れていきたい。バランスが良くて、アナリティクバスケットボールもやっています。インサイドだけではない。3ポイントがよく入って、ペイントアタックもある」と分析。「速いバスケットをやっていきたい」と目指すべきスタイルについて言及し、「オフェンスリバウンドで負けたらすごく大変だと思います。日本はディフェンスリバウンドもオフェンスリバウンドも頑張らなければいけない。ただ、ジョシュ(ホーキンソン/サンロッカーズ渋谷へ移籍)と渡邉飛勇琉球ゴールデンキングス)が入って良くなりました」とも話した。「ドイツのために新しいディフェンスをやっている」と、すでに対策を進めており、「もっともっとレベルアップしないといけない。そういったチャレンジが好きだし、本当に楽しみ」と強豪国撃破に意欲を見せた。

「ホーバスHCのリクエスト」(東野技術委員会委員長)で原修太(千葉J)や川真田紘也滋賀レイクス)を候補メンバーに選出。同技術委員長は「ドイツやフィンランドを見た時、相手のフィジカルに勝てる選手が必要。ヨーロッパと比較して大きな選手は少ないです。アジア競技大会を見据えた部分もありますけど、2メートルを超えた選手を集めました」と狙いを明かした。

 また、ホーバスHC体制になって日本代表で一度もプレーしていない八村について、東野技術委員長は「シーズン中はエージェントと連絡を取り合っていました。シーズンが終わり、彼は(制限付き)フリーエージェントになります。(エージェントの)ワッサーマンに“チーム八村”というものがあり、ここで話し合っていると報告を受けています。近々、我々も“チーム八村”と話し合うことになります」とコメント。出場の意向について「彼がメディアに向けて『わからない』と話しているとおりです」と話し、シーズン中もNBAでのプレーに集中するため、ワールドカップについて彼と直接話す機会はなかったという。“チーム八村”への打診は「今、始めた」ところで、出場は今後の進展次第になりそうだ。

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